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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
とても厳しいものだと想像できる、格闘家のトレーニング。RENAさんは何をモチベーションにそれを乗り越えているのだろうか。
 
 

勝って恩返しがしたい

 
試合の前日には計量があるため、それに向けて体重を落とさなければいけません。食べる量は抑えつつ運動量を増やすのは、毎度のことながら、やはりつらいですね。試合前のトレーニングは特に過酷になるので、「行きたくないな」と思うことも正直あります(笑)。
 
また、対戦相手に勝つために十分なトレーニングができているかどうかは、誰にもわかりません。「本当にこれで良いのか」と自問自答しながらトレーニングするので、試合までの期間はひたすら苦しいんですよ。ただ、当然それでもトレーニングしないと勝てませんからね。対戦相手ももちろん頑張っているので、それに負けたくない、勝ちたいという想いで日々つらいトレーニングを乗り越えています。
 
何より、応援してくれる方々に恩返しをしなければいけません。結局私は私のために戦うしかないのですが、私がみなさんに返せるものは何か考えると、やっぱり試合に勝って一緒に喜ぶことだと思うんです。そのためと思えば、たとえ辛くとも頑張ることができるんです。
 
だから、私が試合に勝ちたいのは、最終的には周りのみんなの笑顔が見たいからかもしれません。SNSなどで「頑張って」と声をかけていただくことでいつもすごく大きな力をもらっています。試合に勝って、仲間たちや応援してくれる方々と一緒に喜べたときは、「格闘家になって良かった」と実感しますね。
 
 
試合中の心境などは、我々にはなかなか想像ができない。どのようなことを考えているのか聞くと、RENAさんは「私は作戦を練りながら戦うタイプです」と話してくれた。
 

万全の準備をして臨む

 
大切なのは、冷静でいることです。パニックになると、思いもよらないミスをしてしまいますからね。予期せぬ出来事が起きるとパニックになることがあるので、どういった状況に陥っても対処できるように万全の準備をしておく必要があります。
 
デビュー当初はそういった準備もせず、闘争心と勢いだけで戦っていました。その勢いである程度は勝てるものの、やはり経験を重ねた選手には通用しません。そうして壁にぶつかり、試合を通じて勉強を重ね、今のスタイルに辿り着きました。現在は、自分自身と対話しながら戦っていますね。「もうすぐ相手が打ち込んでくるな」とか、「展開が悪いから何か変えよう」など、いろいろと作戦を立てながら臨機応変に対応するようにしています。
 
私がプロデビューした翌年2008年に開催されたシュートボクシングのビックイベント「S-cup WORLD TOURNANEMANT」で、初めてさいたまスーパーアリーナのリングに立ったときは、緊張のせいか、試合中のすべての記憶がなくなりました(笑)。会場の広さや観客の多さ、熱気に飲まれてしまったんです。
 
今振り返ると、それも良い経験ですね。そういった経験があるからこそ、今は冷静な気持ちで、いい意味で闘争心を抑えつつリングに立てています。闘争心を出しすぎると、感情的になりミスにつながることがあるんです。もちろん、闘争心をなくしてはいけません。格闘家に大切なのは、負けず嫌いであることですからね。
 
私の強みは、12歳の頃から積み上げてきた立ち技による打撃技術だと考えています。その強みをより極めながら、今はまだ不得意である寝技を強化できれば、より自分が理想とする格闘家になれると思い、頑張っています。応援いただけたらありがたいです。