
インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
高木 京銘竹とは、山に自生する竹を切り出してガスバーナーであぶり、浮いてくる油を布で拭きながら表面にコーティングし、じっくりと天日で乾燥させて仕上げる高級竹材です。竹材は全国各地でつくられているものの、火であぶって完成させるのは京銘竹だけでして。伐採から出荷まで傷一つ付けないよう、すべての工程で丁寧な手作業を貫く当店の京銘竹は「艶が違う」と評判で、建材・茶道具・日用品などの材料に使われているんですよ。
畑山 高木代表の竹とともに歩む人生は、いつ、どのように始まったのでしょうか。
高木 もともと私は竹が大好きで、小学生の頃から竹やぶで遊び切り出した竹で弓矢などのおもちゃを自作していました。作文にも「将来の夢は竹に囲まれて生活すること」と書いていたんですよ(笑)。その夢を実現するため伝統工芸の専門学校に進学し、卒業後は同業の会社で修業を積み41歳になった2022年に独立しました。このように竹一筋に生きてきた豊富な経験から、素材の良さを最大限に引き出す確かな技術が私の武器と言えるでしょうか。
畑山 まさに竹を知り尽くした男ですね。高木代表ご自身が工芸品をつくることは?
高木 ありますよ。当店では、カンナで削り出した竹箸や菓子切りを生産・販売しています。しかし、主力事業は京銘竹の卸。最終商品に仕上げる加工業者さんの目線に立ち、一級品を求める声にいつでも応えられる銘竹をお届けすることが私の役目です。質の高い京銘竹が完成し、お客様に喜んでいただけた瞬間の喜びは何物にも代えがたいんですよ。

高木 近年は放置された竹林が増え社会問題になっています。また、職人の高齢化で京銘竹の業者も減っているんですよ。そんな時代だからこそ多くの方に興味を持ってもらうこと。若い職人を育成し京銘竹の伝統を守り続けることが私の目標です!
畑山 歴史ある工芸品を次の世代に継承するには、第一人者である高木代表の奮闘が欠かせません。これからも京銘竹のさらなる発展に貢献してください。私も応援しています!
「仕事を楽しむ」とは‥
夢だった竹に関わる仕事ができて、楽しさばかり感じています。毎日充実していますよ。
(高木彰)