B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

新しいワークスタイルへの
配達員側からの提言

 

ギグワーカーの安心・安全・補償を守る

 
glay-s1top.jpg
 UberGuildさんでは、どのような活動に取り組んでいるのでしょうか?
 
山下 フードデリバリー産業で頑張るギグワーカーのために、「事故やケガの補償」「業界の公正公明性」「互助や福利厚生」を理念の三本柱に、現在は主に労災保険に関わる活動に注力しています。
 
 補償に関しては、コロナ禍でフードデリバリーを利用する人が増えてから、社会問題として顕在化していますよね。ギグワークは、いい意味では“自由”があります。しかし、裏を返せば「自己責任を要する」というような風潮があるため責任の所在が曖昧で、何かあったら自衛するしか手段がないと思っていました。しかし、ここへきて風向きが変わってきたのですね。
 
山下 そうなんです。私たちは2020年から都民共済や県民共済と連携し、配達員の補償問題への改善を働きかけてきました。そして、今年、2021年9月から、ギグワーカーが労災保険に特別加入できるようになったんです。これにより、治療費や損害賠償のほかに、死亡時の遺族への補償や休業補償の受給が可能になりました。それに伴い、私たち「UberONION」でも9月から厚生労働省・東京労働局認定「労災特別加入団体」としてギグワーク配達員の労災加入業務を行う予定です。
 
 芸能界でも日本俳優連合などの運動が実り、2021年4月から芸能従事者の労災保険への特別加入が認められました。それと同じですね!
 
glay-s1top.jpg
山下 その法改正の流れがあったことで、私たちの活動も一気に加速したんです。実は本日の対談の少し前にも、国会で議員の方へ、私たちギグワーカー側の要望や意見をお伝えしに行ったんですよ。
 
 サービスを運営する企業側とギグワーカー側、双方の立場から意見を取り入れたほうが、より良い法改正につながりますもんね。
 
山下 それに加えて、ギグワーカー側の意識啓発も重要です。そこで2021年5月にUberONION「UEO☆労災特別加入PUREMIUM」を開設しました。そちらでは、労災特別加入の必須要件である「安全講習会」や、万が一の労災事故発生時のサポートのほか、労災特別加入についての啓蒙活動を行っています。