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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

キャンドルで心身を癒す 普段使いで余暇を豊かに
セントエルモの火 代表 あだちしんのすけ

 
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インタビュアー 八木裕(野球解説者)
八木 大阪府門真市でハンドメイドのキャンドルを製作・販売している「セントエルモの火」さん。あだちしんのすけ代表は、2015年にキャンドルづくりを始めたそうですね。何かきっかけがあったのでしょうか?
 
あだち 人生で一番辛かった時期に、炎を眺めているだけで心身に深いリラックス効果をもたらすキャンドルセラピーの世界と出合ったんです。というのも、私は18歳から10年近く埼玉県に住んで、芸能の仕事で身を立てようするも果たせず、その後、大阪の親元に帰ってほとんどニートの状態だった時期が3年ほどありましてね。
 
八木 大きな挫折だったんですね。
 
あだち はい。当時は、社会での生きづらさに打ちのめされましたね。親への申し訳なさも相まって、すべて終わりにしたいと思わない日はないほど追いつめられていました。そんなある時、関東で仲良くしていた友人が自殺を図り、幸い一命をとりとめたと聞き、心を強く揺さぶられました。不謹慎な言い方かもしれませんけれど、決断の内容はどうあれ、一歩を踏み出そうとした友人の姿に私も自分の境遇から逃げてばかりじゃ駄目だと、背中を押されたように感じたんです。
 
八木 友人の選択自体には賛成できない、でも、その切実な行動に刺激を受けた、ということですか?
 
あだち ええ、目標もなくただ立ち止まっていたことを反省しました。その後しばらくして、私と同じく生きづらさに直面して苦しんでいる人をケアしたいという気持ちが芽生え、キャンドルのプロフェッショナルを育成するスクールに通い始めたんです。
 
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八木 自分だけでなく、他人も救おうと思われたのは素晴らしいです。屋号には、どんな意味が込められているのでしょう。
 
あだち セントエルモの火とは、雷雲が近づいた時に船のマストや飛行機の翼などが発光する自然現象です。私には世の中が嵐の真っただ中みたいな暗く厳しい環境に感じられた経験があるので、自分がそんな悪天候の下を進む船のようにピカッと光ることによって、誰かを安心させたり、行き先を照らしたりできるといいなと思ってこの名前にしました。
 
八木 辛い苦しみを乗り越えてきたあだち代表らしい、いい屋号ですね。キャンドル製作で、特に意識していることはありますか?