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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

精神科医療の枠を超え 地域で自立をサポート
医療法人社団 宙麦会 理事長 肥田裕久

 
プロフィール ハンセン病の隔離療養施設を見学したことで、患者が自分らしく暮らせるトータルケアの実現を志す。2005年に医療法人社団 宙麦会を設立。千葉県流山市で初となる精神科クリニックを開院する。その後も、精神障がい者の社会復帰をさまざまな角度から支援するため、事業を多角化していった。その経営形態は医療業界からも注目を集め、年間約500名の関係者が見学に訪れている。【ホームページ
 
 
 
精神科・心療内科医療の提供から患者の社会での活躍まで、トータルに支援する医療法人社団 宙麦会。シンボルマークの麦をくわえたカエルは、「麦のように地域に根ざす存在として、幸福や生命力の象徴であるカエルのように、大きな希望をもたらしたい」という思いが込められている。医療の進展により社会復帰する患者が増える今、当事者の医食住の受け皿となってサポートする宙麦会の取り組みを、肥田裕久理事長にうかがった。
 
 
 

年間500名が見学に来る流山市の医療法人

 
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インタビュアー 水野裕子(タレント)
水野 精神科医療の「ひだクリニック」や訪問看護ステーション「すぴか」、障がい者福祉事業を行う株式会社MARS(マーズ)などを展開する医療法人社団宙麦会さん。他にも相談支援事業所「PHARE(ファーレ)」や、就労移行支援「co opus(コパス)」を運営するなど、幅広く活動されていますね。ホールディングのように多領域にわたる事業所を運営する医療法人さんは、全国的にもかなり珍しいのではないでしょうか。
 
肥田 宙麦会は、流山市につくばエクスプレスが開通した2005年に設立しました。実は、それまで流山市には精神科クリニックはなかったんです。地域最初のクリニックだったことも、こうしてさまざまな活動を展開できた理由だと思います。おかげさまで医療関係者をはじめ、多くの方に興味を持っていただき、コロナ禍以前は、年間約500名の方が見学に来られていましたね。
 
水野 おとめ座のスピカ、火星のマーズなど、星に由来するネーミングも素敵です。
 
肥田 ありがとうございます。「宙麦」も、患者さんの回復力は宇宙のように無限であり、麦のように地域に根づいた生活を送ることができるようにとの思いを込めているんですよ。