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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

手芸業界のニーズを掴み
工場と小売店の間を紡ぐ

 

「潰れないで」と顧客に言わしめる会社

 
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矢部 六畳の部屋から船出して、その後の航海は順調でしたか?
 
塚本 嵐でしたね(笑)。取引先はほぼゼロに近い状態からの開拓でしたので、門前払いされることもありました。ただ半年間、私は“冬眠”するつもりだったので、それほどダメージは受けませんでした。
 
矢部 嵐の中、取り付く島もなかったわけだ。ところで、“冬眠”とは、どういうことでしょう?
 
塚本 昔から懇意にしてくださったお客様の注文をこなして最小限の売り上げを出しつつ、本格的に始動するための仕入れ先の開拓に専念していたんです。売るには、まず商品がないと話になりませんから。その開拓作業も難航しましたが、今も師匠と呼んでいる方をはじめ、手を差し伸べてくださる方も多く、励みになりましたね。皆さん「こっちが手はずを整えてあげるから、味付けは自分でしいや」と。
 
矢部 いかにも関西的な人情話ですね。芸能界でも、誰もが厳しい下積みを経験しますが、それは若い頃の話。塚本社長のようにキャリアがある方が、そういった苦労をなさったことは驚きです。冬眠という戦略と、取引先の方々からの協力もあって、現在は好調に業績を伸ばされていますね。
 
塚本 今まで通り、お客様の意見に耳を傾け、喜んでいただけるものをつくった結果だと思います。
 
矢部 「今まで通り」との言葉に、塚本社長の自信が感じられますね。相手の声に耳を澄ませるのは、やはり大事ですか?
 
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塚本 カタログを送って電話をすれば、注文を取ることはできるかもしれません。ですが、相手が何を求めていて、何をつくればいいのかを考えながら次の流行、方向性などの情報をキャッチするのが、営業企画の本当の仕事だと私は考えます。実際、弊社が「潰れんといて」とお客様におっしゃっていただけているのも、ニーズにピンポイントで応えられる卸会社が少ないからでしょうね。
 
矢部 喜ばせるために相手に尽くす。もしそんな男性がいたらって考えちゃいますね(笑)。
  塚本 その通りですよ。私がお客様と初めて会う時は「どうやって好きになってもらおうか」と考えます。「あなたじゃないとダメ」と言われて、人も会社も存在価値が生まれるんです。
 
矢部 ご家族や周囲の方に支えられてきたからこそ、そのお言葉にも深みがあります。「なくてはならない存在」になるために努力する姿勢は、仕事だけでなく人生全てに通じますね。本日は、とても勉強になりました。これからもぜひ、オンリーワンを目指して頑張ってください!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
お客様の笑顔が、私の仕事の楽しみです。お客様は私にとって“恋人”。どのようにすれば喜んでいただけるかを常に考えて工夫しています。
(塚本尚茂)
 
 :: 会社概要 :: 
   ■ 社名 株式会社ソウヒロ/手芸用品のJoint
 ■ 本社 〒617-0816 京都府長岡京市西の京14-27
 ■ 事業内容 手芸用品の製造・販売・輸出入
 ■ 設立 平成23年8月
 ■ 従業員数 1名
 ■ 主な取引先 株式会社ホビーラホビーレ/株式会社スワニー/株式会社トライアムサンカクヤ/株式会社エービーシークラフト
 ■ ホームページ https://www.joint-so.com/