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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 東京都出身。1958年に祖父が開業し、1980年に父親が(株)足立食品として設立したかつおぶし店の3代目として生まれ育つ。高校卒業後、大阪の同業他社で下積みを経験し、かつおぶしの原料や生産地の知識を身につけた。2010年、父親に代わって代表取締役に就任。蕎麦店やうどん店、和食店など、顧客それぞれのニーズに合わせた商品販売を展開する他、小学校での食育活動にも尽力している。【ホームページ
 
 
 
和食の基礎であり、味を左右する出汁。株式会社足立食品では、蕎麦店やうどん店、和食店など顧客それぞれのニーズに合わせ、納品の前にかつおぶしを削っている。そこまで手間をかけ、飲食店の思いに応えるのが、足立博隆代表取締役のこだわりだ。祖父の代からおよそ半世紀続く家業を担う者として、また、児童に本物のかつおぶしを伝える食育活動家として、熱い情熱を注ぐ足立社長の思いに迫った。
 
 
 

3代にわたり、かつおぶしを飲食店に販売

 
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インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
城 かつおぶしを中心に、椎茸や昆布など乾物の販売をされている足立食品さん。2015年で設立35周年とうかがいました。初代は足立社長のお父様だそうですね。
 
足立 厳密には祖父が開業したので、私は3代目です。父が立ち上げた会社を2010年に引き継ぎました。日本がバブルだった父の時代と違い、お客様である個人経営の飲食店が厳しい状況にある現在は、蕎麦店やうどん店、和食店の他に、めんつゆメーカーさんなど、様々なお客様とお取り引きをさせていただいています。
 
 サッカーも似たような状況ですよ。Jリーグが始まった頃はちょうどバブルで、観客動員数も破竹の勢いでした。だけど今は、いかにしてお客さんを呼び込むか、日本のサッカー業界も試行錯誤しています。
 
足立 なるほど、サッカー業界も苦境なのですね。ただ、ありがたかったのは、2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことです。和食の基本は出汁ですから、かつおぶしや昆布が世界に認められたとも言えますよね。和食が再び注目を集める中、私もかつおぶしを世間にアピールしていきたいと思っています。