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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 静岡県出身。大学で生物学を学び、製薬メーカーに入社。研究職として統計解析などに従事していたが、福祉事業参入を決意した父を支えるため退職。1996年4月、父と妻との3人が中心となり法人を立ち上げ、富士市の須津地区で最初の高齢者施設をスタートさせた。2015年現在、「特別養護老人ホーム すどの杜」をはじめとする3つの施設を運営。2016年には新たな施設の開業も予定している。【ホームページ
 
 
 
社会福祉法人美芳会では、介護・デイサービスに力を注ぎつつ、自治体と連携した様々な取り組みを実施し、地域の活性化や雇用対策に貢献している。同時に、職員が働きやすい環境づくりや、その家族へのサポートも怠らない。その根底には、「地域の全ての人の人生をより良いものにしたい」という熱い思いがある。今回は理事長の大塚芳正さん、奥様で「特別養護老人ホーム 風の杜」施設長の芳子さんのお2人にご登場いただき、「地域密着」の意義を語ってもらった。
 
 
 

父親を支えるため異業種から転身

 
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インタビュアー 名高達男(俳優)
名高 静岡県富士市で介護・デイサービス事業を手がけておられる美芳会さんにお邪魔しています。お2人が事業を始められたきっかけとは何だったのですか?
 
大塚芳正 福祉事業を始めた父を助けようと思ったことです。富士市須津地区の町会長だった父は、1992年に市から高齢者施設の建設への協力要請を受けました。当時は須津地区にそのような施設がなかったんです。父は懸命に探しましたが、なかなかいい業者が見つからない。それで「自分で理想の施設をつくる」と福祉事業への参入を決意したんです。ただ、農業一筋でやってきた父は事務仕事ができなかったので、「私たち夫婦も一緒に頑張るよ」と、それまでの仕事を辞めて3人で法人を設立しました。
 
大塚芳子 3人とも名前に「芳」の字があるので名前は「三芳会(みよしかい)」にしようということになり、最終的に「美芳会」と名づけました。
 
名高 地域のために全てを捨てて取り組まれたとは素晴らしい。ちなみに、前職は何をされていたんです?
 
大塚芳正 製薬メーカーで研究職に従事し、統計解析などを行っていました。パソコンの操作技術は事務で活かせましたが、やはり介護は全く畑が違う仕事なので苦労しましたね。