人生を充実させる
陸上競技を広めたい
末松 その通りです。そこで当社が、参加者の申し込み受付からプログラムの作成まで一貫して請け負い、現場の先生方の負担を少しでも軽減させようと考えたのです。計測業務に関しては業界大手が存在し、残念ながらシェア独占とはいきませんが、陸上競技大会の運営業務については当社がパイオニア的存在と言えるでしょう。
川上 部活動の管理全てを外部に一任するという動きもあるようですが、予算の問題などから一般化するには至っていませんよね。でも、教育の質を上げるためにも、今後浸透させるべきだと思います。
末松 外部講師を招いてより専門的に指導することで、子どもたちの運動能力も伸びるでしょう。当社でも小学生の陸上競技大会を主催しておりまして、すでに3回目を成功させました。これは「大会を増やしてほしい」という保護者のご要望を受けて始めたことなんです。
川上 まあ、保護者の要望で? 保護者はどうして大会を増やしたいのですか。
末松 小学生の男子はサッカーや野球など、スポーツの選択肢が広いですが、女子の場合、増えてはきているもののまだ限られています。球技は特にそうですよね。そのため、陸上競技を始める女子が全国的に増えており、東京オリンピックのこともあってか、本格的に練習させたい、競技の機会を与えたいと考える保護者が増えているんですよ。
川上 オリンピックの影響がそんなところにも出てきてるんだ。じゃあ、末松社長の取り組みのおかげで金メダルを取る選手が出てくるかもしれませんね。
志を高く保ち、陸上競技界に貢献したい
川上 末松社長が仕事のうえで大事にしておられることも、ぜひ教えてください。
末松 3つの言葉を掲げ、それを常に頭に置いて行動するようにしています。まず1つは「感謝」。当たり前のようですが、仕事上の付き合いだけではなく、家族や生徒も含めた人との縁に感謝しています。2つ目は「こうきしん」。一般に用いられる「好奇心」という漢字ではなく、「高氣芯」と書きます。
川上 ご自身の造語ですね。どんな意味なんですか?
末松 「氣を高く持ち、芯をぶらさないように」という意味です。例えば、コップに入った水をいくらか飲んだ後、「もうこれだけしかない」と思うのではなく「まだこんなにある」と考える。充実した気持ちでおいしく飲む。常に気持ちをプラスに保っていたいと考えています。
川上 いい言葉ですね。人生、マイナス思考に陥ると実際にマイナスなことばかり起きます。苦しい時でもプラスに考えていれば、良いことが起きるものです。
末松 3つ目の言葉は川上さんが今おっしゃったことと似ていまして、「因果応報」。自分自身が行ったことは、必ず自分に返ってきます。良いことをすれば必ず良いことがあるし、手を抜けば失敗する。だからこそしっかりとした行動規範を持て、という戒めです。