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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

社会性の強いテーマを映像化し
人々の心に働きかける制作会社

 
 

「教育映画祭」 で評価を集める作品群
スペイン・フェーゴ国際映画祭受賞作品も

 
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矢部 こちらにはたくさん賞状が並んでいますね。受賞作品も大変多いのですね。
 
髙木 毎年実施される教育映画祭に出品し、数本の作品が優秀作品賞をはじめ、文部科学大臣賞などを受賞しています。私どもが最も得意としているのは防災教育の分野でして、 「火災・煙・有毒ガス―検証 新宿歌舞伎町ビル火災」 という作品は、スペイン・フェーゴ国際映画祭で最優秀作品賞と審査員特別賞をダブル受賞しました。また、 「ようこそ ノルウェーのぜん息アレルギー保育園へ」 は、産業映画祭奨励賞をいただいています。
 
矢部 素晴らしい受賞歴ですね。拝見すると、子宮ガンや喘息、AED、音楽療法など、本当にありとあらゆる教育作品が並んでいますが、作品のテーマやアイデアは、全て髙木代表が考えられるのですか。
 
髙木 そうです。企画書は全て私が作成します。どういうジャンルのどういうテーマを今作るべきかという企画の絞り込みは簡単にできるものではありません。でも、何本も制作していると、今こういう作品を作ると間違いなく活用されるということがわかってきます。ですから、それがすぐ実践に移せるわけです。とにかく企画、即実践力が必要だと思いますね。
 弊社は一切スポンサーに頼ることなく、全て先行投資して自分たちの手で作品を作り上げていきます。そうしてできあがった作品を、国が運営するライブラリに提案して買い取ってもらうというシステムになっていますので、企画内容にもクオリティにも一切妥協は許されません。活用されている作品の数が、年々増えているのは、とても喜ばしいことです。
 
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「2010年教育映像祭」(主催:日本視聴覚教育協会)で優秀作品賞を受賞
矢部 このように社会的なテーマばかりを選んで映像化するのはなぜでしょうか。
 
髙木 私の子供の頃は、よく情操教育の一環として、学校で教育映画を見せられました。「にあんちゃん」 や 「綴方教室」 など子供が主人公の児童劇映画が多く、ずいぶんと感動したものです。その影響が大きいと思います。詰め込み式の学校教育で育った矢部さんの時代には少なくなっていたかもしれませんが。
 
矢部 そうですね。あまり記憶にないかもしれません(苦笑)。
 
髙木 そんな中で、1995年の阪神淡路大震災を迎えるわけです。これは私にとって、かなり強烈な体験でした。その時に、日本はこれから大地震の活動期に入るので、まだまだ大きい地震が起こるだろうと予測しました。そんな危機に直面した時に、私たちはどのように対処すれば良いのか、その経験から得た教訓を残していくべきではないかと強く思い、当社を立ち上げたのです。