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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

エステメドBBクリームで
日本の美容シーンを席捲

 
 

韓国大企業に単身乗り込み
「エステメド」の日本販売権を獲得

 
 
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大家 困り果てた私に、その社長が勧めてくれたのが、当時韓国で大流行していた 「BBクリーム」 でした。しかも資金ゼロの状態だった私のために、支払を4ヵ月サイトにしてくださって。そこで、BBクリームのメーカー約40社の中から一番優れた商品を選んで勝負しようと、アレルギーの私でも使えるような化粧品なら優秀に違いないと思い、自分の肌でテストしました。その中でダントツ 「エステメド」 の製品が一番いいとはっきり分かりました。伝手も何もなかったんですが、すぐに韓国に飛びましたよ。
 
矢部 それだけ必死だったんでしょうね。先方とはどうやって交渉したんですか。
 
大家 親会社である大熊製薬の営業マンに面会していただいて、「私がエステメドを日本に定着させます。約束します」 と直接訴えたんです。そこから本社に話が持ち込まれ、エージェントの権利をいただきました。後から知ったんですが、大熊製薬は韓国製薬業界の処方箋分野ナンバーワン企業。その皮膚薬部門が病院だけに卸していたのが、エステメドだったんですね。私のような人間にエージェントの権利をくれたんです。奇跡ですよね!
 
矢部 もし、韓国の業者の社長さんがBBクリームのお話をくださらなかったら・・・。
 
大家 今の私はありません。実は社長も過去に会社を倒産させた経験があり、それでも事業への情熱を抑えきれず、会社を起業されたんです。人の痛みが分かり、ビジネスに付き物の危険と、それでも進みたい情熱の両方を、身をもって知っておられる方だったんですよ。
 私は日本人ですが、日本の業者に痛い目にあい、韓国の業者に助けていただいたんです。何か韓国への恩返しをしたいと、今は韓国ビジネスに特化しています。
 
矢部 エステメドの販売権を得た後は、どのように展開されたんですか?
 
大家 広告宣伝する資金はありませんから、1年目はアメーバブログに毎日書き込みを続け、少しずつお客様を増やしていきました。徐々に店頭販売もできるようになって順調でした。
 
 

人生の危機のたびに
救いの手が差しのべられる

 
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大家 でも、そんな矢先の昨2009年10月、再び危機に見舞われたんです。
 おかげさまで大手テレビショップさんや大手バラエティーショップでの店頭販売が決まり、大きな運転資金が必要になったので金沢にある銀行に出向いたところ、銀行側は 「9月末で100%融資を実行します」 と確約してくれました。そこで私も商品を100%発注していたんですが ・・・忘れもしません、10月1日朝8時31分、銀行から電話があって、「融資がおりなくなりました」 と。
 
矢部 えっ?! どうしてですか?
 
大家 地方の銀行ですから、大手テレビショップや大手バラエティーショップの名前を聞いてもピンと来なかったんでしょう。とにかくこのまま焦げついたら、お世話になった韓国ベンダーの社長に迷惑をかける。それにようやく大手量販店と取引できるというときに商品が仕入れられないと、もう信用がなくなります。とにかく資金を調達しなくてはいけない。
 たまたまその日は、異業種交流会で知り合った元大手航空会社の社員の方のご紹介で、航空会社の社内販売ルートに売り込みをする予定でした。でも、やっぱり、私の様子が普通じゃないんです。それで、その方に聞かれて事情をお話ししたところ、なんと、ご自身の早期定年退職金を振り込んでくださったんです。その方が今、当社の専務です。今ではご夫婦で、会社の大切な仕事をしてくださっています。