脱毛症もレースウィッグで気持ちが前向きに
永野 私は4歳の頃に脱毛症を発症しました。同級生から心ない言葉を言われ毎日辛くて「死にたい」と思いながら学校に通っていたんです。昔はインターネットがなかったので、大手メーカーでウィッグを購入する選択肢しかなく親に経済的な負担をかけました。大人になっても人の目が気になり対人恐怖症で、ずっと暗闇のトンネルを歩いているような人生が続きました。
千葉 でも、その闇を抜け出す方法があったわけですね。
永野 そうなんです。内側の生地がレース状になっているレースウィッグの存在を知り、20年ほど前から着用しています。生え際や分け目が自然に見えるレースウィッグのおかげで気持ちが前向きになりました。今も私は弊社のレースウィッグを着けているんですよ。
千葉 とてもウィッグとは思えません。本人の毛髪にしか見えませんよ。
永野 ありがとうございます。ただ、当時のレースウィッグは個人輸入でなければ購入できませんでした。翻訳したメールを海外に送る苦労や、料金を先払いする不安に耐えながら入手していたんです。それでも明るさを取り戻した私はブログを開設し、同じ悩みを抱えている方のために注文方法などをアドバイスしていたところ、だんだんと大きなコミュニティに育ちまして。やがて、仲間の後押しもあり、事業を立ち上げようと決断したんです。