深瀬 以前の私は、頭痛や吐き気に悩まされ毎日疲れきっていました。娘から「使い古された雑巾よりひどい状態」と言われるほどで(笑)、家事を10分やっては寝込み、また起きて動いたら寝るという生活を送っていました。「まだ50代なのにこんなに寝込んでいたら、私が介護されるほうになってしまう」と危機感を覚えていた頃、テレビで東洋医学や鍼灸の特集を見て、試してみようと思ったんです。
タージン 辛い状況から、一歩踏み出そうと決心されたんですね。
深瀬 はい。それから3000年以上前から伝わる経絡鍼灸という施術を受け、その後も通いながら食生活を含めた生活習慣の見直しを図ったところ、少しずつ体力が回復していきました。そして、元気になった喜びが沸き上がると同時に、自分の知らない世界を知りたいという思いがどんどん強くなっていったんです。気付いたら国家資格であるあん摩マッサージ指圧師と鍼灸師を取得するための学校に入学していましたね。3年間みっちり勉強するうち、最初は反対していた周囲も皆、応援してくれるようになりました。
深瀬 そうなんです。人の身体には約360個のツボがあり、経絡と呼ばれる気の流れをつくっています。この流れは、体内のさまざまな臓器とつながっているため、一人ひとりの不調に合わせてツボを見極め、丁寧に調節しながら治療しなければなりません。そのため当院では、自作の金鍼を使用しております。この鍼はてい鍼と呼ばれ鍼を刺さずにツボを刺激するための道具で、皆様の自然治癒力を引き出す施術を行っています。
タージン 鍼に怖いイメージを持つ方もいますから、鍼を刺さない施術というのは多くの方が安心して受けることができますね。まさにオーダーメイドの施術だと思います。