子どもの成長を見守りたいと教育業界に
鳶坂 私がそろばんを習い始めたのは、小学3年生の頃です。母親が厳しかったこともあり、自分の意見をあまり言えない子ども時代を過ごしました。他にも習い事をたくさんしていたので、自然とそろばんからは離れていったんです。大学卒業後は一般企業で事務職を経験し、結婚を機に退職しました。
タージン そこから、どのようにしてそろばん教室の先生に?
鳶坂 夫がNPO法人アルクス教育研究所という教育機関に携わっていて、運営する日本アルクス自然学校の事業に参画したことがきっかけです。体験学習に参加して子どもたちと触れ合う中で、子どもの成長を見守ることが楽しいと思うようになりました。そんなタイミングで、「そろばん教室をやってみないか」と誘われたんです。今まで、武器と言えるものを何一つつくってこなかった生き方を変えたいと思い、そろばんを一から勉強し直してトビーそろばん教室を立ち上げました。
タージン 子どもたちに触れ合う仕事に就いたことで、仕事や生き方に対する考えがいい方向へと変わっていったのですね。
鳶坂 ええ。いろんなお子さんたちと寝食を共にしてきて、長期的にお子さんの成長段階を親御さんと共に見ることが、私の仕事の楽しみ、人生の楽しみに変わっていったんです。