インタビュアー 千葉真子(マラソン元日本代表)
千葉 本日は千葉県八千代市のレンコン農園、沼の田んぼさんにお邪魔しています。収穫したてのレンコンは初めて見ました。普段私たちが食べている地下茎の部分が、何個も連なっているんですね! 数珠つなぎで縁起が良さそう(笑)。
荒平 青果店やスーパーマーケットなどで販売されているレンコンは、カットされた状態ですからね(笑)。一般のお客様が収穫直後のレンコンを見る機会は少ないと思います。
千葉 お聞きしたところ、農薬を一切使用せず、印旛沼の自然を活かした栽培方法にこだわっておられるとか。
荒平 そうなんです。一般的に沼というと、水が濁っているイメージを持たれがちです。しかし、地下に浸透した雨水などが濾過され、清らかな湧き水として流入する印旛沼の水は、豊かな水源として昔から重宝されてきました。その湧き水を使い、天然の土壌で育てるからこそ、私は最高のレンコンができると考えています。この歴史ある印旛沼の特性をいかした当園のレンコンは、「numa renkon(ヌマレンコン)」というブランドで販売しているんです。
印旛沼の自然を活かして栽培した「numa renkon」
千葉 土地の特性をよく理解しているからこそ、おいしいレンコンが育つんでしょうね。荒平代表はもともと農業をしておられたんですか?
荒平 いえ、前職では、伊勢丹新宿店のメンズ館でスーツやビジネスウェアの販売をしていました。販売の仕事も楽しかったものの、どうしても以前から興味のあった農業に挑戦したくて、思い切って転職を決めたんです。
千葉 伊勢丹新宿店のメンズ館といえば、百貨店業界の中でも全国トップクラスの売り上げを誇る店舗ですよね。いわば日本のファッションの最先端で、販売員という花形のお仕事から、まったく毛色の異なる農業のお仕事に就くのはとても勇気のいることだと思いますよ。