静岡の塗装一家に生まれ育ち名古屋で起業
進士 私は静岡市の出身で、以前は清水市だった地域で生まれ育ちました。父は塗装会社を経営しており、昔ながらの破天荒な職人でしたね。家にお金を入れるタイプではなかったうえに、姉、双子の兄と私、さらに弟もいて生活は大変でした。その中で私は、子どもの頃から雨どいを伝ってビルの4階まで上がるほど活発でして。高いところが平気だったんです。
畑山 まさしく塗装職人になるために生まれてきたようなものですね。
進士 そうなんですよ。私は家計を助けるため中学を卒業すると父の会社に就職しました。進学せず世の中に出るのは楽しみでしたし、塗装の仕事が心から好きだったんです。結局、兄も弟も父の会社に入って家族で塗装をするようになりまして。ただ、私だけはもっと広い世界を見てみたい、いろいろなことを経験してみたいと考えていたんです。
畑山 その燃え上がるような意欲の結果が、名古屋への進出だったのでしょうか。
進士 ええ。2012年、24歳のときに大きな仕事の依頼があって単身で名古屋に出ました。その後も継続的に仕事が続き土地柄も大好きになったことから、名古屋に腰を落ち着けて2016年に進竜建装を立ち上げたんです。ただ、知り合いも少なく不安な日々は続きましたね。