個別指導学習塾の講師から路線バス運転手へ
堀 はい、2017年頃まで神奈川を中心に走る路線バスの運転手でした。1人1台もらえる担当車に愛着がわく一方、毎朝4時起きなのが大変でしたね。通勤通学の時間帯は特に運行を遅らせられないので緊張でいつもピリピリしていましたし、週末の夜などはお客様どうしが車内でケンカを始めて仲裁に入ることもありました(笑)。それでも子どもからお年寄りまで幅広い年代の方と接することができ、コミュニケーションの良い鍛練になったと思います。
石黒 私もバスや電車が好きでよく乗ります。車内は小さな空間といってもあれはあれで一つの社会ですから、いろんなことが起きますよね(笑)。それにしても、運転手さんと塾の先生ではかなり隔たりがあるように感じます。教育業界との接点はいつ頃から?
堀 順番で言うと、塾で働くほうが先だったんです。教員免許を取るために入った大学の1年生のときからアルバイトの講師になり、卒業後も2、3年続けました。個別指導の責任者を任せてもらっていたものの、自分の指導方針に自信が持てなくなってしまって、バス業界に転職したというわけです。