「私とつながる人たちを笑顔にしたい」。そう語るのは、ベストミライクル株式会社・代表取締役社長の矢野寿氏だ。住宅設備機器等の製品保証サービスから、集合住宅の設備管理サポート、コールセンターの運営代行、リフォームにLPガス販売コンサルティングと、取り扱う事業は幅広い。多岐にわたるビジネスは、すべて矢野氏の人柄と努力で勝ち取ってきたもの。これまでの軌跡から、仕事への思いに至るまで、矢野社長に話をうかがった。
バイト中の出会いが人生の転機
矢野 私は大学進学を機に福岡県北九州市から上京しました。大手居酒屋チェーン店でバイトを始めると、おもしろくてすっかりハマってしまったんです。熱心にバイトに打ち込み、迎えた大学4年生の秋が私のターニングポイントと言えるかもしれません。
鈴木 ぜひそのお話、詳しくお聞きしたいですね。
矢野 就活を終え、無事に内定ももらい、あとは卒業を待つだけという時期で、普段にも増して気分良くバイトに入っていたある日のこと。一人で飲んでいた男性に「就職は決まってるのか?」と聞かれたんです。「はい」と答えてその場は終わったものの、その後、男性が調理場へ入って来たんですよ。困った酔っ払いのおじさんだと思い、止めようとした瞬間、エリアマネージャーが飛んできて、「その方は会長だよ!」と言うので、それはもう驚きました。しかも、会長に「就職が決まっているのはわかった。でも、とりあえず一度うちの会社に来なさい」と誘われたんです。
鈴木 お忍びで店舗の視察に来ていた会長から直々にスカウトされるなんてすごいですよ。心から仕事を楽しみ、いきいきと働く矢野社長が魅力的だったんでしょう。