石黒　東京都台東区で宝飾品のデザイン・制作を手がけるジュエリープロさん。キラキラと華やかな工房には、見たこともない素敵なデザインのジュエリーが並んでいて壮観です！　長澤社長は、このお仕事を始めて長いのでしょうか。
 
長澤　今年2019年で、38年になります。もともと私は、ビルやマンションなど建築物の完成図を描く仕事をしていました。繊細かつ立体的なイメージを要求される建築画の制作経験を生かし、工房で学びながら25歳でジュエリーアーティストとして独立したんです。半年後には、権威あるジュエリーデザインのコンテストでグランプリをいただきました。以来、オーダーメイドのアクセサリー制作を続けています。
 
石黒　確かに長澤社長の作品は立体感があり、見る角度によって印象が変わります。25歳でグランプリを受賞なさったのも、当然のセンスと技術ですよ。こちらのジュエリーはどうすればオーダーできるんですか？
 
長澤　36年間にわたって、日本橋の老舗大手百貨店でご注文を受け付けておりますよ。お客様と直に打ち合わせをし、ご要望を取り入れながら目の前でデザインをご提案します。そして、この工房で仕上げているんです。自分でも満足できるものづくりができたときや、お客様に喜んでいただけた瞬間には大きなやりがいを感じていますね。
 
石黒　オーダーメイドのジュエリーなら、手にする方の思い入れもひとしおでしょうね。長澤社長が、お仕事で日頃から心がけておられることを、ぜひ教えてください。
 
長澤　それは、お客様の悩みを解消する、プロならではのアクセサリーをつくること。例えば関節が太くなって指輪が入らなくなった方のために、既製品には真似できない機能を持たせるなど、優れたデザイン性と身に付けやすさを両立させるよう意識しています。