家業よりやりたい仕事は見つけられなかった
田中 私は今年2018年で30歳になりました。弊社は、現在も代表取締役を務める90歳の祖父が1964年に立ち上げた会社なんですよ。私もいずれは家業を継ぐつもりで、大学卒業後は業界の関連である素材メーカーに就職しました。前職では現場の仕事を2年、さらに生産管理を2年間経験し、2015年に弊社へ入社したんです。
城 シントクさんは創業から50年以上続く由緒ある会社なんですね。それでは、田中専務も生まれたときから、家業を見て育ったわけですか。
田中 そうですね。子どもの頃から家業よりやりたい仕事は見つけられなかったですし、「後を継がない」という選択肢は、私の中にはありませんでした。ただ、弊社の製品に関わる金属素材のことは何も知らなかったんです。そこで、大学の先輩から「後を継ぐなら知識を増やし人脈を広げ、家業のためになる会社に就職しろ」とアドバイスされ、素材の製造を手がけているメーカーへの就職を選択したんです。