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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

冷間圧延用ロールでものづくりの根幹を担う
株式会社シントク 専務取締役 田中雄大

 
プロフィール 東京都出身。1964年に代表取締役である祖父が設立した(株)シントクを家業とし、幼少期より同社の経営を継ぐことを志す。大学卒業後は、同社が取り扱う製品に関連した金属素材メーカーに就職。現場での作業と生産管理などを経験し、素材の知識や加工の技術を身につけた後、2015年に(株)シントクに入社。現在は専務取締役として、同社の経営に携わっている。【ホームページ
 
 
 
ステンレスや銅の薄い板をつくるために欠かせない「冷間圧延用ロール」。1964年の設立以来50年以上にわたってこのロールを製造し続け、現在も国内トップシェアを誇り、世界でもシェアの3割を占めているのが株式会社シントクだ。創業者の孫にあたる専務取締役の田中雄大氏は、「家業よりやりたい仕事は見つけられなかった」と2015年に入社。日本のものづくりの根幹を担う事業に、責任と誇りを持ちながら取り組んでいる。
 
 
 

家業よりやりたい仕事は見つけられなかった

 
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インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
 東京都板橋区で「冷間圧延用ロール」の製造と販売を手がける株式会社シントクさん。今日は、田中雄大専務取締役にお話をうかがいます。まずは田中専務の歩みからお聞かせください。
 
田中 私は今年2018年で30歳になりました。弊社は、現在も代表取締役を務める90歳の祖父が1964年に立ち上げた会社なんですよ。私もいずれは家業を継ぐつもりで、大学卒業後は業界の関連である素材メーカーに就職しました。前職では現場の仕事を2年、さらに生産管理を2年間経験し、2015年に弊社へ入社したんです。
 
 シントクさんは創業から50年以上続く由緒ある会社なんですね。それでは、田中専務も生まれたときから、家業を見て育ったわけですか。
 
田中 そうですね。子どもの頃から家業よりやりたい仕事は見つけられなかったですし、「後を継がない」という選択肢は、私の中にはありませんでした。ただ、弊社の製品に関わる金属素材のことは何も知らなかったんです。そこで、大学の先輩から「後を継ぐなら知識を増やし人脈を広げ、家業のためになる会社に就職しろ」とアドバイスされ、素材の製造を手がけているメーカーへの就職を選択したんです。