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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

未来を拓く医療機器を通じて
イスラエルと日本の橋渡しを

 
 

超音波照射が患者視点の子宮筋腫治療を実現

 
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宮地 日本の文化を探求しにきた学生をそこまで魅了する医療機器って、興味深いですね。外観を見る限りは、病院の検査に使用するCTスキャンのようですが・・・。
 
バウアー 大切なポイントは、エクサブレートは診断装置ではなく治療機器だということです。CTスキャンに形状の似た磁気共鳴画像装置、いわゆるMRIと併用しますが、患者さんが横になるベッドに超音波発生装置を組み込んでいます。
 超音波エネルギーを一定箇所に収束させ、温度上昇を引き起こすことで、腫瘍細胞を壊死させるのですね。つまり、切除などの外科的手法に頼ることなく、体外から患部に超音波を照射し、灼くための装置なんです。MRIは、周囲の臓器に影響を与えずにピンポイントで患部を照射し、適切な温度上昇を確認するための安全装置の役割を果たしているんですよ。
 
宮地 体にメスを入れないで済むというところが良いですね。痛い思いはしたくないですし、やはり女性は体に傷跡が残ることを一番嫌がりますから。
 
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バウアー エクサブレートは、患者さんに多くのメリットをもたらします。まずは、今おっしゃったように体に傷をつけなくてすむこと。その結果、患者の方に与えるストレスが軽くてすむんです。数時間の治療処置後は1~2時間程度休息をとるだけで帰宅することができますし、次の日から普段どおり仕事に戻ることさえできます。仕事や家庭を持たれている方が多いので、日帰り治療の実現は大きなメリットですね。また、切除を伴う外科的手法とは異なり、何度も治療を繰り返し行うこともできるんですよ。
 
宮地 病院って、手術とか注射とか、痛いことをされるイメージがどうしても伴うので、近寄りがたい場所だと感じていました。でも、こういう治療機器があるとわかれば、安心して行くことができます! 日本の病院には、どれくらい導入されているのですか?
 
バウアー 日本には2003年に研究用途で第1号機を紹介し、現在、11台が稼働しています。医療機器として正式に導入するためには、厚生労働省の承認が必要なんですよ。エクサブレートは2009年に女性の子宮筋腫の症状緩和効果が証明され、主に子宮筋腫治療の現場で活躍しています。