
インタビュアー 杉田かおる(女優)
三田 弊社は1946年に創業しました。もともと高崎には軍需工場が多く、終戦後、そのままこの地で起業した職人がたくさんいたんです。私の伯父も工場の班長を務めていて、身に付けた金属加工技術を活かすため、個人事業主として起業しました。そして父も伯父の仕事を手伝うようになったんです。
杉田 三田社長の伯父様が最初に事業を始めたんですね。その後、どのようにして現在に至るのでしょうか。
三田 実は残念ながら、事業を立ち上げてすぐに伯父が病気で亡くなってしまったんですよ。そこで父が後を継ぎ、1961年に法人化して現在の体制になりました。私は大学在学中の1977年から家業を手伝うようになり、卒業後に正式に入社したんです。
杉田 なるほど。それだけ長い歴史をご家族で紡いでこられたのは素晴らしいですね。現在、三田製作所さんが加工している製品も、ぜひ教えてください。

杉田 さまざまな用途の部品を取り扱っているんですね。それは創業当時からなのでしょうか?
三田 もともとは自動車部品の製造を行っていました。自動車の部品は同じ作業を繰り返し、月に何万個、何十万個と量産することが求められます。同業他社もそのような部品の量産体制を整えている企業が多いんです。しかし、私の父は「それではおもしろくない。もっと試行錯誤したい」と意欲を燃やし、自動車部品製造から撤退してしまいました。そして、多様な工業部品の加工を始めたんです。量産ではなく、一つひとつの部品に魂を込める職人だった父がいたからこそ、弊社は多彩なものづくりに柔軟に対応できる企業に成長できたのだと思います。