B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

お客様の期待を超える不動産の駆け込み寺
アレンジ・コンサルティングオフィス 代表 田村未知人

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 杉田かおる(女優)
杉田 大阪市中央区で不動産コンサルティングを手がけるアレンジ・コンサルティングオフィスの田村代表。まず経歴からお聞かせください。
 
田村 私は大手不動産会社で6年ほど不動産の売買仲介の営業をしていました。そして、もっと広く不動産を学びたいと思い転職したのが、再開発のために土地の買収を行う会社でした。買収する不動産は権利関係がキレイなものばかりではありません。複数の借地権や賃借権が付随した土地・建物を取得し、権利関係の調整を行い、土地を蘇らせる業務を行っておりました。いわゆる“地上げ”ってやつです。
 
杉田 “地上げ”と聞くと怖そうなイメージですけど、そちらの会社は具体的にはどのような業務だったのですか?
 
田村 例えば入居者が減った古いアパートを買い取ります。1人でも入居者がいると取り壊せないので、すべての入居者との賃貸借契約を解除し、建物を解体して更地になった土地を売却したり、自社でマンションや戸建てを建築し分譲したりしておりました。しかし、入居者には借地借家法による「住み続けられる権利」がございますので、短期間でいかに信頼関係を築き、明け渡しに協力していただけるかが事業成功の鍵を握ります。
 
杉田 所有権の買い取りや明け渡しの交渉まで、意外と丁寧に行わないといけないんですね。確かに一般的な地上げのイメージとは違います。
 
glay-s1top.jpg
田村 明け渡しに協力いただいた入居者の方からも感謝されることもありました。「引っ越し代を負担してもらい、これまでの家賃と同額で広くてキレイな部屋に移れました」と。世間に不動産会社は多数ありますが、明け渡しの業務を行える会社は少ないです。売買仲介をしていた時もそうでしたが、商売の極意である“売り手”“買い手”“世間”の“三方よし”という考え方を身に着けることもでき、自分自身のスキルアップも含め、とても良い経験ができました。
 
杉田 そこでこれまで培ってきた不動産のノウハウを活かして、独立を考えられたのですか?
 
田村 実は独立しようと考えていたのは小学生の時からです。両親が自営業をしていたので、自分もいつか会社を経営するだろうなと思っていました。小学生の時、両親の薦めで私立中学を受験しましたが残念ながら落ちてしまいました。さすがに悔しくて泣きましたね。でもその時、気付きました。どうせ自分は商売人になるのだから“学歴”より“人脈”が大切だと。