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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 和歌山県出身。多くの顧客から「山本さんでなければ」と言われるほどの腕利きの大工である父を持ち、幼い頃から現場を身近に感じて過ごした。高校卒業後、一度は大工以外の道を模索するも、親族からの強い勧めもあり、父のもとで修業を開始する。1997年に独立し、2015年にT・CRAFTヤマトシ(株)を設立。現在はリフォーム案件を多く手がける他、工作教室を主催するなど、地域振興にも注力している。【ホームページ
 
 
 
紀州熊野材に代表されるように、古くから良質の木材が豊富な和歌山県。その地で長く活躍する大工が、T・CRAFT(ティークラフト)ヤマトシ株式会社の山本敏貴代表取締役だ。大工として約25年のキャリアを誇る山本社長がモットーとするのは、「家は売るものでなく建てるもの」。家で暮らす人たちのためになることならば、非効率な作業であろうと迷いなく選択する。そんな山本社長の家づくりにかける熱い思いに迫った。
 
 
 

「あなたでなければ」と親子2代で言われて

 
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インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
畑山 建築業を手がけるT・CRAFTヤマトシさん。山本社長は2017年で大工歴約25年、しかも親子2代で大工職人だそうですね。
 
山本 ええ。小さい頃から建築現場を見て育ちました。ただ、大工への関心はそれほどなくて(笑)。高校卒業後、ゆっくりとやりたいことを探していたところに親戚から「お父さんと働きなさい」とお説教されて、渋々修業を始めたんです。
 
畑山 そうだったのですね(笑)。実際に働いて、職人の世界はいかがでしたか?
 
山本 厳しい世界でしたよ。私が働き始めた当時は今と違って「定時」という概念がなかったので遅くまで働いていましたし、休憩中もノミやカンナを研いでいましたね。ただ、当時の現場での経験が、仕事をするうえでの自信となっています。
 
畑山 当時の経験が今に活きているわけですね。1997年に独立されたとお聞きしました。きっかけはあるのですか?
 
山本 父から常々「鶏頭牛尾、せっかく生まれたのだから、牛の尻尾で一生を終えず、鶏の頭くらい小さくてもいいから頭になれ」と言われていたので、独立はずっと念頭にありました。友人の親族宅を個人的にリフォームした際に、口コミで評判が広まったのを機に、独り立ちしたんです。
 
畑山 口コミで評判が広まるのはすごいですよ。
 
山本 父はお客様から「山本さんでなければ」と言われる職人でした。そこに少しでも近付けたかなと思うと嬉しかったですね。