B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 小学生の頃に、父からの勧めでオペラのレコードを聴き、芸術に携わる仕事を強く志す。その後は慶應義塾大学法学部を卒業するも、芸術への思いが募り、音楽事務所に就職した。そこでビジネス重視の業界の風潮を目の当たりにし、一時は業界を離れようとしたが、思い直し、理想とする芸術事業の実現のためヴォイス・ファクトリイ(株)を設立。現在は様々なアーティストたちと共に、多数の舞台やコンサートを手がけている。【ホームページ
 
 
 
人形劇からオペラまで、様々な舞台を手がけているヴォイス・ファクトリイ株式会社。代表取締役の輪嶋東太郎氏は、小学生の頃にオペラの世界に魅せられて以来、芸術とアーティストへ情熱を注いできた。「アーティストたちを支え、彼らに力を最大限に発揮してもらうことが、私の使命なんです」。そう語る輪嶋社長の情熱の源に、役者として舞台に立つ照英氏が迫った。
 
 
 

小学生でオペラに衝撃を受け、裏方の世界に

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 照英(タレント)
照英 ヴォイス・ファクトリイさんでは、企業が芸術活動を支援する、いわゆるメセナ事業としての演奏会や舞台などを、数多くプロデュースされているそうですね。輪嶋社長は、もともとどういったきっかけで芸術に興味を持たれたのでしょう?
 
輪嶋 小学生の時にオペラの楽曲を聴いて衝撃を受けたことがきっかけです。以来、音楽は私にとって友であり肉親であり、恋人になりました。いずれは裏方として舞台を支えたい、とも思うようになりましたね。
 
照英 衝撃、ですか。
 
輪嶋 ええ。最初に聴いたのがイタリアのテノール歌手のレコードで、その後には伝説の歌手、マリア・カラスのレコードを聴きましてね。そのどこか、そこはかとなく哀しい歌声を聴いた時には、心の中に秘めていたのものが、一気に頭の中に放出されたような感覚になりました。それからはどんどん、オペラの世界にはまっていきましたね。小学校の卒業文集にも、オペラの聖地、イタリア・ミラノにある「スカラ座」の裏方になりたい、と書いたくらいです。
 
照英 それだけ心を突き動かすものがあったんだ。それにしても、子どもならまず先に「舞台に立ちたい!」と思いそうなものです。
 
輪嶋 そんなこと、恐れ多くてとてもとても(笑)。舞台はとても神聖な場所だから、そこに自分は踏み込めない、と子ども心に理解していたのかもしれません。
 
照英 確かに、選ばれた人だけが立てる場所、というイメージが舞台にはありますね。
 
輪嶋 そうですよね。でも実際のところ、鑑賞する側はそんなふうに思わなくてもいいんですよ。高尚なイメージを持たれているオペラだって、本質はトレンディドラマと同じです(笑)。まだテレビのない時代に、マイクもないから大きな声で歌って、恋愛模様や悲劇・喜劇を演じてきたという、そういうものなわけですからね。でも、だからといってただの鑑賞物ではないし、芸術だからこその、心への影響力がある。私はそれを信じているんですよ。