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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 鳥取県出身。大学卒業後、重要文化財の保存事業に従事。日本の伝統建築が持つ合理的な空間利用法やその工夫について学んだ他、欧米を実際に訪れ、由緒ある建物や前衛的なアート作品まで幅広く鑑賞し西洋建築への造詣も深めた。デザインの幅を広げるため、茶道にも取り組む。2013年に(同)田中陽子デザイン事務所を大阪で設立。京阪神を中心に、地元の鳥取県のカフェも手がけるなど枠にはまらない活動を展開している。【ホームページ
 
 
 
目新しいものに人は集まるが、深みがなければ離れていくのも早い。では、深みとは何か――。合同会社田中陽子デザイン事務所の田中陽子代表にとって、それは「目に見えない余白」だろう。集まった人の思いが溶け込むことを念頭にデザインした店舗は、いわば完成時が出発点。だからこそ客は店に通い続けたくなるのだ。そして、多くの人によって余白が埋められたとき、その店は皆にとってかけがえのない場所になる。
 
 
 

和と洋の両面から空間デザインにアプローチ

 
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インタビュアー 相原勇 (タレント)
相原 店舗デザインを得意とされる合同会社田中陽子デザイン事務所さん。まるでニューヨークみたいな、モダンな雰囲気ですね。田中代表の名を冠した事務所名も、ニューヨーカーっぽくて素敵です!
 
田中 ありがとうございます。私が当初デザインを学ぶきっかけになったのはヨーロッパでしたが、昨年2015年はアメリカに行き、そのスケールに触れて、新たな刺激を受けましたね。
 
相原 アメリカって古い建物も多いでしょう。なぜ長年愛されているかを考えながら眺めると、空間デザインの奥深さを感じますよね。
 
田中 温故知新なら、日本の伝統も同じですね。私は茶道を嗜んでいて、茶室の造形の素晴らしさにはいつも感心してしまいます。所作に無駄がなく、茶室の設計も緻密だから、狭いはずなのにとても空間が広く感じられるんですよ。
 
相原 わかります! 私も茶道をしていて、空間って有限だけどデザイン次第でいくらでも無限になるんだなって、常々感じるんです。特に店舗では、雨露をしのぐための壁と天井があればいいわけじゃなく、お客さんが落ち着けるゆとりが大切なんだと思いますね。