「企業経営で知っておきたい税金etc」
■ ライン3 「資本金1億円超/以上/以下」・・・減資を検討すべし!
資本金を「1億円超」から「1億円以下」にすると、以下の図のような様々な特典があります。
【法人税の特典】 1.法人税の計算上、軽減税率(18%(注))が適用できる (注)18%は税制改正による一時的なもので、本来は22%です。 2.交際費等の損金不算入 600万円以下の損金不算入額が10%になる 3.少額減価償却資産(上限年間300万円) 30万円未満の減価償却資産は全額損金算入 4.特定同族会社の留保金課税 資本金1億円以下の法人は対象外 5.欠損金の繰戻還付制度 【地方税の特典】 6.法人事業税の外形標準課税 資本金1億円以下の法人は対象外 7.法人道府県民税及び法人市町村民税の均等割税金 東京都23区の場合→110,000円減少(従業員数50人超は330,000円) 大阪市の場合 →215,000円減少(従業員数50人超は435,000円) 【税務調査の特典】 8.資本金1億円未満であると、原則、国税局管轄から税務署管轄に変更になる |
順に解説していきましょう。
まず大きな特典としては、課税所得800万円までについて「軽減税率」が使えることです‐表の1。節税額を計算すると、通常の法人税の税率が30%であることから、課税所得800万円×(30%-18%)=96万円となります。※ 表中(注)も参照のこと
また、資本金が1億円を超える会社には、税務上、交際費が経費処理されることはないのですが、資本金1億円以下の場合は、600万円までその90%の経費処理が認められています‐表の2。この最大節税効果を試算すると、600万円×90%×40%(実効税率と仮定)=216万円となります。
資本金を1億円以下にしてさらにメリットが大きいのが、「少額減価償却資産の特例」を利用できることです‐表の3。これは、年間300万円までの上限はあるものの、30万円未満の減価償却資産であれば全額費用処理できるというものです。ただし、この「少額減価償却資産の特例」制度の適用対象は「中小企業者等」となっており、「中小企業者等」とは、資本金が1億円以下の法人で「同一の大規模法人が資本金又は出資金の額の1/2以上を所有している」法人、「2以上の大規模法人が資本金又は出資金の額の2/3以上を所有している法人」以外の法人、「常時使用する従業員等が1,000人以下」の個人等となっていますのでご注意ください。