少しずつ気温の高い日が増え、ようやく初夏らしいムードになってきました。日本で古くから季節の目安とされている雑節では立春から数えて88日目を「八十八夜」と言い、春から夏に変わるタイミングとされています。今年2021年は、5月1日が八十八夜でした。多くの人が茶摘みの歌で耳にしたことがあるように、この八十八夜はお茶とかかわりが深く、この時期に摘んだ新茶は味が良いいのはもちろん、ビタミンやカテキンも豊富なのだとか。まさに、今の時期は新茶のおいしい盛りなのです。 日本一の茶どころとして知られる静岡県の中でも、有数のお茶の生産地として知られている大井川流域。新茶のシーズンを迎え、ひときわにぎわっているのが、昨年2020年秋にオープンした緑茶と農業と観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA（カドデ オオイガワ）」です。大井川農業協同組合と島田市、大井川鐵道、中日本高速道路の4者連携プロジェクトとして生まれた施設は、新東名高速道路「島田金谷IC」からすぐ、大井川鐵道の門出駅直結とアクセス抜群。大井川流域の緑茶と農産物の魅力が詰まった、県下最大級のマルシェを含む体験型フードパークとなっています。 買う、食べる以外にも、ここでしかできない体験が盛りだくさんのKADODE OOIGAWA。注目施設の見どころをたっぷりとご紹介しましょう。

地域のにぎわい交流拠点として誕生したKADODE OOIGAWA。施設内はマルシェやレストランのほか、観光案内所やドッグラン、ダイナミックな遊具を備えたキッズパークなど充実の内容で、子どもから大人まで一日中楽しめること間違いなし。特に、お茶の産地らしく緑茶をフィーチャーした体験型コンテンツはユニークなラインナップで、注目を集めています。 その一つが、「工場体験 緑茶ツアーズ」。茶葉の製造工程を見る一般的な工場見学とは異なり、なんと、自身が茶葉になり、茶畑で摘まれてから「蒸す」「揉む」「火入れ」という製造工程を経て、緑茶になるまでを体験する体感型アトラクションです。また、KADODE OOIGAWAでは「MANDARA GREEN TEA（マンダラ グリーンティー）」として茶葉を“蒸し”と“火入れ”を段階別に組み合わせることで16種類の緑茶を提供しており、緑茶ツアーズの最後にはこのうち4種を試飲し、その違いを楽しむこともできます。 「緑茶B.I.Y.スタンド」では特製ミニKADODEボトルで手軽にMANDARA GREEN TEAを淹れる緑茶体験や、数量限定で16種の飲み比べも。イベントスペースでも生産者による茶葉の販売やイベントが開催されるので、見逃せません。

大井川流域では、良質な水や気候、豊かな土壌を活かし、茶葉以外にもさまざまな農作物が生産されています。静岡県下最大級の売り場面積を誇るマルシェでは、新鮮な野菜や果物、こだわりの肉や魚も販売。土産コーナーには緑茶のギフトやお茶に合う菓子など、地域の魅力あふれる商品がそろい、活気に満ちています。 KADODE OOIGAWA内には、地元の野菜を中心とした創作料理をビュッフェで楽しめる農家レストラン「Da Monde（ダ・モンデ）」をはじめ、アレンジティーとご褒美スイーツが魅力のカフェなど、地域ならではの食材を活かしたグルメスポットも多数。お茶漬けや、緑茶を使用したラーメン、緑茶バンズ、緑茶ソースのハンバーガーといった緑茶グルメは、ここでしか味わえない逸品ばかりです。 このほか、広い施設内にはお茶のさまざまな情報が散りばめられた「MANDARA茶柱」や茶畑風景をイメージしたベンチ、かつて大井川鐵道を走ったSLの復元展示、野菜×お茶×地域×アートを表現したウォールアートなど、写真映えにぴったりなスポットも点在。のんびりと散策してみてはいかがでしょうか。 身近なようで、実はあまり知らなかった緑茶の奥深さや大井川流域の魅力に、たっぷりと触れることができるKADODE OOIGAWA。ドライブやリフレッシュのお出かけに、ぜひ立ち寄ってみてください。