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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

労働紛争を円満解決へ
特定社労士の役割とは?

 

ADRの代理業務可能な特定社会保険労務士

 
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川上 私もドラマで看護師を演じた経験はありますが、そんなに厳しい職場だとは初めて知りました!
 
濱田 看護師だけでなく勤務医も同じなんですよ。こうした状況を少しでも改善しないとみんな潰れてしまう! そんな思いで労務の仕事に取り組んできました。
 
川上 濱田代表は医療・介護の労働環境改善については、特にお詳しいのでしょうね。
 
濱田 自分で言うのもなんですが、この分野は得意中の得意。立派な方はたくさんおられますが、日本の社会保険労務士の中でも私は多くの知識と経験を持っていると自負しています。
 
川上 なるほど。濱田代表が独立されたきっかけはなんだったのでしょう。
 
濱田 2002年に社会保険労務士として登録しました。東京都台東区で勤務し、弁護士さんと共に地裁・高裁・最高裁・労働委員会・労働局などで労使紛争解決に携わり、2008年、特定社会保険労務士の試験に合格し独立を決意したんです。
 
川上 社会保険労務士として、長いキャリアをお持ちなんですね。ところで、社会保険労務士の前につく“特定”の意味について教えていただけますか。
 
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濱田 従来の社会保険労務士は企業内で労務管理に従事するか、給与や年金、健康保険などの手続きを代行する事務の専門家という側面が大きかったんです。労働紛争などの問題が起きても、弁護士ではないので裁判の代理人になることはできません。そこで試験に合格した社会保険労務士には、裁判外紛争解決手続制度、通称ADRを利用する場合に限り代理人になることを認めるというのが“特定”の意味なんです。労働問題相談は全国で100万件もあります。それで国は労務精通する特定社労士という国家資格をつくりました。
 
川上 裁判外紛争解決手続制度というのは、どんな種類があるのでしょう。
 
濱田 都道府県の紛争調整委員会や、民間のADR機関が行うものなど様々な種類がありますよ。
 
川上 そうした手段で労働問題を解決する時は、特定社会保険労務士が代理人として交渉してくださる、というわけですね。
 
濱田 その通りです。代理人制度のいいところは、紛争の当事者が顔を合わせずに済むので、代理人同士で問題を解決できる点にありましてね。裁判にはたくさんの時間やお金が必要ですし、対立は精鋭化します。そこで裁判外紛争解決手続では特定社労士が代理人として冷静な話し合い、円満な和解で問題を解決するのです。
 
川上 和解というのは、当事者のどちらも納得してWin-Winの関係を築くこと。互いに嫌な思いをしなくて済むし、労働問題の解決にぴったりですね!