畑山　企業全体の環境を整えつつ相談窓口として個々人に寄り添っておられるんですね。介護の知識がなかったり周りに頼れる人がいなかったりして、困っている人は多いはず。そういった場合、精神的なケアも必要になりそうです。
 
山﨑　まさにそうです。「子どもが親の面倒を看ないといけない」と、独りで介護を抱え込む方や必要以上に介護を担ってしまう方、介護の悩みを相談できない方も少なくありません。その結果、心身が疲れ切り、疲労が溜まることで仕事に影響が出て、介護離職に至ってしまうケースがあります。
 
畑山　そういった事態を防ぐため、産業ケアマネの活動を推進されているのですね。実は、私の父が現在病気療養中です。ですが、私自身、介護となるとまだ先のように感じてしまっています。
 
山﨑　親御さんの将来が脳裏をよぎりつつ、「まだ大丈夫」だと思っている方は多いと思います。実際は、ご家族の介護が始まってからケアマネジャーに相談される方がほとんどで、準備をしていないと、初動対応に余計なストレスがかかってしまうんです。私たちは、介護は家庭内災害だと伝えています。できるだけ早いうちから介護に備えていただくと、介護をするご家族への影響を最小限に留めることができるんですよ。
 
畑山　介護で苦しむ人を救いたいという熱意が伝わってきます。今後の展望もお聞かせください。