本多 はい。もともと2009年に、農業を営む私の父と父の同級生が、地元の若者の労働環境を整えるためにワインづくりを発案したことが始まりです。会社設立から10年のタイミングで、先代から若い世代に事業継承をしたいという話があり、お引き受けしました。
宍戸 現在、栽培組合に加盟する農家さんは26軒、ブドウ畑の総面積は約6haあるとお聞きしました。この10年で、扱うワインの種類も増えたのでは?
本多 そうですね。現在、地元産のブドウでつくる「ファーマーズワイン」と、同じく地元のリンゴでつくる「ファーマーズシードル」の2ブランドがあり、その中でもさまざまな銘柄があります。いずれも、畑の実りをそのまま感じられるような、果実味あふれるワインとシードルばかりですよ。
宍戸 特に人気があるのはどの銘柄ですか?
本多 ヤマブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配種であるヤマ・ソーヴィニヨンからつくられる「一慶」という赤ワインです。一慶は、戸沢地区に広がる「天空のほ場」という畑で育ったブドウのみを使っているのも特徴ですね。ファーマーズワインの中には複数のブドウ品種をブレンドした銘柄もあるものの、多くは単品種で、畑の違いや醸造法の工夫による風味の違いをお楽しみいただけます。
宍戸 同じ品種のブドウを使っても、土壌や製造の違いで味に個性が出るのがワインのおもしろさですよね。ちなみに、こちらのワインはどこで購入できるんでしょう。
本多 ワイナリーでの販売や通信販売のほか、関東や東北地方の販売会やマルシェでもお買い求めいただけます。出発点は地域おこしですから、今後も栽培・製造・販売まで一貫して行う六次産業を主体とし、地域産業を盛り上げていきたいですね。まだまだ学ぶことばかりで、お客様と接する中で気付かされることも多いです。今後も、皆様に喜んでいただけるよう、背伸びせず、ものづくりに真摯に取り組んでいきます。その一歩として、今は白ワインの扱いが少ないので、単品種の白ワインを増やしていきたいですね。
宍戸 本多社長は何事にも一途に頑張る方だと感じました。今後も“二本松ブランド”のおいしいワインをつくるとともに、未来を見据えて後継者の育成も頑張ってくださいね。
宍戸 本多社長は何事にも一途に頑張る方だと感じました。今後も“二本松ブランド”のおいしいワインをつくるとともに、未来を見据えて後継者の育成も頑張ってくださいね。
「仕事を楽しむ」とは‥
生涯で出会える人の数より、すれ違ったり会えなかったりする人の数のほうが圧倒的に多いです。そんな中で、この仕事を通じて出会えた方々と人間味のあるお付き合いができると嬉しいですよね。
(本多一美)