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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

馬術競技者が自らつくる
オーダーメイド馬具工房

 

お客様の数だけ作品がある

 
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自作の馬具を実際に使用している様子
矢部 グッズや馬具を販売するようになった経緯を教えてください。
 
渡邉 私が自作馬具を使用して楽しんでいるのを見た競技仲間から頼まれたのがきっかけでした。課題を与えられて創意工夫をするのが好きなので、「オーダーメイド」として何にでも対応していったことで特殊なオーダーもどんどん増えていったんです。一番インパクトがあったのは馬術大会で使用する、馬が飛越するための障害物でした。“普通”が嫌いな私が徹底的にデザインを研究して遊びつくした結果、競技者の中でも有名な障害物となり、無名な競技者の卵だった私と私のブランドを一躍有名にしたんです(笑)。高さ180cm、幅4m近くある大きさで失敗が怖いので、まずはミニチュア模型を試作したところ、「模型も販売して欲しい」というお声が多く商品化することになり、さらに「実用的なものも欲しい」という意見からブックエンドや鞍スタンドにアレンジして販売もしました。当店の商品は私が競技者として必要と感じたもの、お客様からオーダーをいただいたものの両輪でラインナップが急速に増えていった感じですね。
 
矢部 なるほど。従来のグッズは馬蹄モチーフのものばかりなので、デザインが豊富で驚きました。ミニチュア障害物の置物もブックエンドも素敵で、贈り物にしても喜ばれそう! 馬のグッズってクラシックなデザインやお土産然としたものが多くて、普段使いできるおしゃれな小物が少ないんですよね。
 
渡邉 そう! 乗馬人口はジュニアももちろんいますが意外と私と同世代以上の方が多いので、「自分のような大人が使用して恥ずかしくないもの」を意識した商品開発を心がけています。また、私は馬術をファッションとしても楽しんでほしいので、「個に寄り添うこと」を最も大事にしています。商品によっては毛糸や糸の色、刺繍デザイン、生地、縁取りなどそれぞれ数十種類を用意し、自由に組み合わせてオーダーできるので、バリエーションはほぼ無限大です。衣類や馬具などとトータルコーディネートも楽しんでいただき、馬術競技をフィギュアスケートのように「華やかで見ていて楽しいもの」にしていくのが目標ですね。
 
glay-s1top.jpg 馬好きの矢部さんも「素敵!」と、大興奮
馬好きの矢部さんも「素敵!」と、大興奮
矢部 お客さんの求めるイメージは、どうやって具現化するのでしょうか?
 
渡邉 組合せを指定するなどお客様から直接好みをうかがいます。迷われている方やイメージが湧かない方は、ヒアリングに時間をかけますね。お気に入りの持ち物の写真をいくつか送っていただき、その中から好みを探り、デザインの方向性をすり合わせていくこともあります。実店舗を持たないものの、TanoMakeのサイト内のチャットやメッセージアプリなどを通じて写真を交えて密にやりとりするので、イメージの相違も少なく「自分の理想のデザインに出会えた」「想像以上のものができた」と喜んでくださるお客様がほとんどです。
 
矢部 お客さんの数だけ作品が生まれていくのですね。
 
渡邉 まさにそれがオーダーメイドの醍醐味! 当初は自分のセンスを頼りに商品開発をしていましたが、お客様のご要望に応えるうちに、自分の引き出しがみるみる増えていったんです。オーダーメイドは効率の悪さや煩わしさから懸念される作家さんもいます。でも、お客様の発想から思いもよらないデザインが生まれたり、試行錯誤の末に自分のスキルが爆上がりしたり、いいことづくめ! 個に寄り添うことにこだわった結果、そういう嬉しい発見や成長が得られるのが私は何よりも楽しいです!
 
 
 
 

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