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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 東京都出身。父親の経営するプリント基板製造の工場で玩具をつくるなど、幼少期から工作機械に慣れ親しむ。高校卒業後、金型の製造事業所に就職。6年後に独立し、金型設計事務所を設立。1990年に金型製造を始め、2003年には試作金型制作会社(株)M.T.Cを設立した。2005年に社名を(株)ismに変更し、携帯電話やデジタルカメラなどの精密家電の試作品を手がける。確かな技術力と短期納品に定評がある。【ホームページ
 
 
 
国内がバブル景気に沸いた1986年から51ヶ月の間に、設立されて消えていった企業は山程ある。株式会社ismの菅原進治代表取締役も、同時期に金型設計・製造会社を起業し、バブル崩壊と共に窮地に陥った。そこで菅原社長が講じたのは起死回生の策ではない。独特の企業理念を貫いたことで会社を蘇えらせたのだ。菅原社長の波乱万丈の人生を振り返りながら、信条としている仕事への姿勢をうかがった。
 
 
 

若干24歳で金型の設計・製造会社を起業

 
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インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
城 イズムさんは、金型の製造を手がけておられるそうですね。まずは、現在の事業内容と、起業するまでの経緯をお聞かせいただけますか。
 
菅原 弊社はプラスチック金型を中心にした、設計・製造を行う専門メーカーで、例えば、携帯電話やデジタルカメラなどの精密家電の試作金型や射出成型、マシニング加工によるプラスチック成型を行っています。起業前も同じ業界で会社員をしていました。
 
城 ということは、会社員の頃に技術を習得して起業されたのですね。確か、会社の設立は1989年とうかがいました。その頃ってバブル全盛期ですよね。やはり時期を狙っての起業だったのですか。
 
菅原 起業は考えていませんでしたが、おっしゃる通りバブル景気だったもので、自然に起業の流れができたように思います。前社の社員だった当時、ある業者さんから依頼された金型設計のアルバイトが給料以上の収入になりましたし、周囲にも独立を勧められたんですよ。それで「やってみようかな」という安易な気持ちで、24歳で起業しました(笑)。
 
城 時代の勢いを感じるエピソードです。でも、菅原社長に技量があったからこそ、周囲も起業を勧めたのだと思いますよ!