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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

1/1000mm精度の測定技術で
製品の品質と人々の生活を守る

 

正確な寸法を測ることで製品の品質を確保

 
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ペットボトル外径寸法の自動測定装置。国内シェアはなんと9割を誇る
川村 そして現在のようにご自分で、測定機器開発の事業を始められたわけですね。あらためて、精密測定機器を作るというのは具体的にどういうことなんでしょう。
 
川添 何かの工業製品を作る際に、できた製品の形や寸法に間違いがないか、正確に測定する必要があります。その精密測定機器を作っているんです。たとえば、川村さんが日常的に目にされている清涼飲料水のペットボトル。あの容器は、商品が同じなら、どれも同じはずですよね。
 
川村 もちろんです。同じジュースで内容量が違ったら大バッシングですよ(笑)。
 
川添 内容量の違いならまだいいんです。それが口金や容器の形が違っていると、少しの違いでもキャップが合わなかったり、梱包できなかったりといった問題が生じます。炭酸飲料の容器は、厚みが足りなければ破裂だってありえますからね。
 
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川村 そういえば、暑い場所に炭酸飲料を置くと破裂すると聞いたことがありますね。
 
川添 あれはどのくらいの圧力まで破裂しないかを確認する耐圧試験というものがあって、何度も何度もテストしているんですよ。薄すぎると破裂や破損の危険が高まります。逆に厚すぎると、資源の無駄使いになり、原料コストがかさみ、燃料代など運送コストも余計にかかってきます。
 
川村 飲料メーカーにとっては死活問題ですよね。でも、そうやって、たとえば型の精度を一度出せば、あとは均一な精度で作れるんでしょう?
 
川添 いや、それが違うんですよ。私たちが対象にするのは1000分の1ミリ単位の測定です。どんな産業機械でも大量生産するうちにそれくらいの誤差は出るので、飲料メーカーの工場には必ず測定機器が置かれ、製品をその都度チェックしているのです。ペットボトルの測定機器に限れば、国内の大手飲料工場のほとんどに当社の測定機が入っているんですよ。
 
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車軸外径測定装置。分解能は0.001ミリ。JR貨物各社に納入
川村 ほとんどにって、すごいですね。他にはどんな測定機器を開発されていますか?
 
川添 各都道府県の軽自動車車検場にある車幅・車高の測定器や、JRの車輪の軸径を測定する精密測定器を開発しています。他にも、液晶のフィルムの厚さや、缶ビールのアルミ缶の肉厚を測る自動測定装置も製作しました。アルミ缶のほうは1万分の1ミリ単位、フィルムのほうは10万分の1ミリ単位の測定です。