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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
中学生の頃にスカウトされたことをきっかけに、芸能界に入った夏菜さん。お芝居を仕事と捉えるようになったのはいつ頃だったのだろうか。
 
 

肩の力の抜き方を知った

 
お芝居を仕事として意識しはじめたのは、実は割と最近なんです。25歳くらいの頃でしょうか。それまでは仕事というより、“楽しいこと”だと捉えていました。もちろん仕事だということはわかっていましたが、今振り返って考えると自分本位な部分もあったと思っています。とにかくがむしゃらに取り組んでいましたからね。
 
当時は、お芝居に向き合いすぎていたと思います。向き合うこと自体は悪いことではありません。ただ私の場合は、すべての演技に意味を込めてしまっていたというか・・・。軽やかに演じることができていなかったんです。それが結果として、良くない演技になってしまっていました。
 
その意識が変わったきっかけは、バラエティ番組に出演するようになったことです。NHK連続テレビ小説『純と愛』でヒロインを務めた後に、お芝居をするのが嫌になってしまった期間がありまして。そのときに、マネージャーさんからバラエティ番組への出演を提案されたんです。最初は怖いし嫌だと思いましたね(笑)。
 
でも、いざ出てみたらとても楽しかったんです。バラエティに出ているときは、素の自分でいられますね。楽しいだけではなく、自分の発言に責任を持つことによって「私の仕事ってこういうことだったんだ」と感覚的に気付くことができました。そうして自分の芝居を客観的に見れるようになったんです。
 
バラエティに出るようになって、肩の力の抜き方を学んだ気がします。コントなどを通じて、一呼吸置くことを知ったんです。マネージャーさんの提案通り、バラエティに挑戦して大正解でした! お芝居とバラエティの2つがあるからこそ、気持ちを切り替えて両方のお仕事を頑張れているんです。とても良いバランスが取れていると感じますね。
 
 
かつては役と向き合いすぎていたと話してくれた夏菜さん。現在はお芝居をするにあたって、どのようなことを意識しているのかうかがった。
 
 

呼吸を整えることが大切

 
一番意識しているのは呼吸ですね。自分の中で呼吸が乱れると、一気にお芝居に集中ができなくなってしまいます。「このセリフはこういう流れで言いたいな」「こういう感情を込めて言いたい」といったことが、呼吸さえ整っていれば思い通りに表現できることが多いんです。しっかり呼吸をすることによって、体もリラックスできますしね。
 
共演者の方々と呼吸を合わせることも大切です。初対面の方とお芝居することもたくさんありますので、あえて目を真っ直ぐ見て、一呼吸置くこと。そうして相手の呼吸に合わせてお芝居をしていくんです。
 
共演者の方やスタッフさんたちには、自分から積極的に話かけてコミュニケーションを取るようにしています。『夏への扉』の撮影の際も、監督にとにかく質問をしに行きました。あとは、スタッフさんのそばをわざとウロチョロしていましたね(笑)。
 
私は緊張しがちなので、撮影のときにはあえてカメラを見て深呼吸するようにしています。私の出番に注目してるスタッフの方々を、あえて意識するんです。それが一つのルーティーンになっています。