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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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小西さんは今後、建築やインテリアデザインの領域にも仕事の手を広げたいそうだ。また、本職のファッションでは「今までにない雑誌をつくってみたい」のだとか。「国内には自分を満足させてくれるファッション誌がない」と笑う小西さんが考えるトレンド、そして新たなファッション誌のあるべき姿とは?
 
 

常に新しさを求め、自分を進化させろ!

 
 トレンドってみんな、テレビや雑誌などのメディアから発信されているものだと思っているでしょ? でもそうじゃないんだよ。その時代を一生懸命生きて、人生を謳歌している人間から発せられてくるものがトレンドなの。悩み、苦しみ、もがきながらも結果を出している人間は魅力があるじゃない? そうした人の言動、そしてビジュアル――。そういう人の発するイメージにこそ時代性があるんだ。トレンドは、そういうところから生まれてくるんだよ。
 
 衣料でも食品でも娯楽でも何でも、メディアから一方的に発信される情報に左右されるだけで、その情報を自分のこだわりと照らし合わせて取捨選択できない人は、自分自身がトレンドを発信するような人間にはなれないよね。同じく、情報を垂れ流しているだけのメディアは真のメディアとは言えない。僕はそれと一線を画すファッション誌をつくりたいと思っている。
 
 ファッションのトレンドって、その世の中で起きている経済の動きや大きな事件など、時事的な事柄を背景にしてリアルタイムに生まれてくるものなんだ。だから、世界の経済動向やどんな事件が起きているかなど、ファッションを通じてオールジャンルの世界の動きを読み取れるようなものをつくってみたい。それが実現できれば、ファッションのトレンドがその時代の一部として溶け込み、時代性を体現していることがよくわかってもらえるだろうし、真のトレンドとはどういうものなのかわかってもらえるはず。それを実現するために、これからも日々チャレンジを続けたいですね!
 
 
 
(インタビュー・文 佐藤学 /写真 Nori) 
 
 
 
ドン小西(どん こにし)
 
1950年10月生まれ。三重県津市出身
 
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文化服飾学院を卒業後、アパレル会社に勤務。1979年に独立し、「FICCE」「YOSHIYUKI KONISHI」などのブランドを立ち上げた。

東京、ニューヨーク、ミラノでコレクションを発表するなど精力的に事業を展開。 そのデザインは北野武氏をはじめ数多くの芸能人にも支持を受けた。
 
その他、多数の企業ユニフォーム作成を手がけるなど、多くのデザイン賞を受賞している。

タレント活動では、テレビや雑誌でのファッションチェックが注目を浴び、人気を得る。現在は名古屋学芸大学で客員教授、東京成徳大学特別招聘教授を務めるなど、後進の育成にも力を入れている。
 
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 (取材:2015年4月)
 
 
 
 

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