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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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30代後半から自転車にのめり込むようになった鶴見さん。趣味を通じて仲間が増えたことが「仕事にも活きている」という。なんでも、出演作を見た仲間が視聴者として率直な感想をくれるのだとか。「もらった意見を次の仕事にフィードバックできるから、自転車仲間にはとても助けられている」そうだ。
 
 

趣味の集まりが社会を動かすグループに

 
 そんな身近な自転車仲間と始めたグループがLEGON(レゴン)です。立ち上げ当初はみんなで自転車を楽しむための小さな集まりでしたが、連絡ツールとしてSNS上に作成した「自転車紳士録」が話題を呼び、全国にメンバーが拡大していきました。内輪で始めた活動がこれだけの広がりを見せたことが嬉しいです。今では登録者数が約1万人と規模も大きくなりましたから、みんなの力を合わせて、もっと自転車を楽しく乗れる世の中に近づけていくことが役割の一つだと思っています。
 
 東日本大震災が起こった時は、LEGONならではの社会貢献活動に取り組みました。それが「合力日本。」です。メンバーが力を合わせて自転車リレーで被災地まで走り、元気を届けるプロジェクト。自転車リレーを通じて被災地に義捐金もお送りしたこの活動は2014年で一旦終了しましたが、今年から「合力日本。」のシーズン2として新たにスタートしています。
 
 今回は東日本大震災の被災地だけでなく、御嶽山の噴火による災害なども含め、近年起きた様々な天災の被災者の方々を支援するよう範囲を広げました。4月5日から自転車リレーで熱海を出発し、年末までに日本の各地方を回る予定で、このインタビュー記事が掲載される5月には、恐らく東北地方を走っているでしょうね。
 
 僕の究極の理想は、高速道路や有料道路と並行して自転車専用道路が設けられる時代がくること。そのためには、自転車乗りが世間の皆さんから愛される存在になるよう、自転車のイメージアップを図り、取り巻く環境を良いものにしていく必要があります。活動を通じてLEGONが自転車乗りの模範となり、自転車の素晴らしさをアピールしていきたいです。
 
 
鶴見さんはどんな役柄でも演じられる俳優として、近年も大河ドラマをはじめ様々な作品で活躍している。16日公開の映画『Zアイランド』はどのような作品でどんな演技を見せてくれるのか、期待が高まる。
 
 
ハンバーグの“つなぎ”を意識した
 
 『Zアイランド』はロバート・ロドリゲスやクエンティン・タランティーノ監督が手がける、B級テイストのアクション映画を彷彿させる作品です。しかもアクションだけでなく、ほろりと涙するようなシーンもあり、映画のうまみがたっぷり凝縮されていますよ。
 
 僕は主役の哀川翔さん演じる元ヤクザの組長の弟分を演じています。哀川さんと絡むシーンのある役は今回の映画が初めて。一緒に仕事をしてみて、哀川さんがどうしてみんなに愛されるのかがよくわかりました。あの人はいるだけでその場の雰囲気を変えてしまうような、独特の存在感があるんです。誰も思いつかないような突拍子のないことでも大真面目にチャレンジする人で、一般的な尺度では測れないスケールを持っている。そういうところが、哀川さんの魅力ですね。
 
 それにしても、B級映画を狙ってつくるのは本当に難しいんですよ。B級だとわかっていながら楽しませるには、センスが必要ですからね。品川ヒロシ監督は、それをうまく成し遂げていると思います。ゾンビとヤクザが戦う荒唐無稽な話をうまくまとめながら、僕ら役者だけでなく、ミュージシャンやアイドル、お笑い芸人といった様々なジャンルの方々をうまく配役して化学変化をおこしつつ、全編に調和が取れた作品になっている。
 
 僕自身は監督の狙いを実現できるよう、普段は他のジャンルで活躍する出演者さんたちがそれぞれの個性を発揮して演じられるように、調整役になることを意識しました。作品をハンバーグに例えるなら、ぼくが卵の役割を果たすということですね。そのハンバーグを、皆さんにおいしいと思っていただければ嬉しいです。
 
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