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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW


 
プロフィール 1960年生まれ。静岡県静岡市出身。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程などを経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラーになった 『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞受賞) をはじめ、『コミュニケーション力』 『教育力』 『古典力』(岩波新書)、『現代語訳 学問のすすめ』(ちくま新書)、『地アタマを鍛える知的勉強法』(講談社現代新書) など著書多数。専門の教育学領域以外にも、身体を基礎とした心技体の充実をコミュニケーションスキルや自己啓発に応用する理論が「齋藤メソッド」 として知られ、高い評価を得ている。
 
 
 
「M2世代」 と聞いて、どんな人たちを想像するだろう。「35歳から49歳までのMale (仏語で男性)」 を意味するこの言葉は、本来はマーケティング領域の専門用語である。しかし、消費市場でのふるまいや属性をうんぬんされる前に、たとえば勤務先の企業でそろそろ一定の地位に上げられはじめるなど、「生産的経済活動の中核をになう最初の世代」 というアクティブな位置づけがありうるはずだ。B-plus読者の多くに重なるこの世代に向けて、教育学の見地からビジネスに役立つメソッドを多数発信してきた齋藤孝氏の、「現代リーダー論」 語りおろし――
 
 
 

“場” を作ること、“空気を作る” こと

 
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 これまで私がやってきた教員養成はリーダー育成とも言い換えられます。私は20年近く、人と人が集まって何かをしたり、新しい価値を生み出したりする “場” を作るリーダーをどうやって育てるかについて研究してきました。それも、「今日はこのことに気付いた」 とか、「新しい世界観が開けた」 とか、教える教育者の側と学ぶリーダーとの間にも新しい意味が生まれてくる関係性を意識していました。クリエイティブな関係というのは、お互いが新しい意味に開かれていってこそ成り立ちますからね。
 たとえば職場でチームのメンバー全員が凹むようなトラブルがあって、なんとかみんなで取り組むうちに、「これなら切り抜けられそうだ」 って思う瞬間があるでしょう。思わずみんなで 「やった! イケるかも!」 と拍手したくなる、あの感じ。あれは、その成員でチームを組むことに、今までなかった新しい意味が加わった感覚なんです。
 ただ、そこまで場を導くには、リーダーに技術が要ると思います。大半の人はリーダーとして “場” を作る技術を学ばないまま会社に入って、なんとなく役職が上になったからなんとなく上の仕事をやっているだけです。監督には監督の役割があるものなのですが、監督役の人間が持つべき技術が、明確には教えられていないんですね。ドラッカーの 『マネージメント』 を読めばある程度のことは勉強できるけれど、いざ日本的風土の中で、実際どう動けばいいか。
 その意味で、“空気を変える” あるいは “空気を作る” ことが非常に大事で、私はそのカギは身体ではないかと思っています。リーダーの身体からエネルギーが発せられているチームはすごく盛り上がるし、そこの部分が沈滞していると淀んでしまいます。だから、リーダーにはできるだけ上機嫌でいてほしいですね(笑)。“厳しく、かつ上機嫌”――身体の雰囲気としてそうあるべきです。ハードで、かつ楽しいというのが、今の時代のリーダーに求められる 「場づくり」 のコツだと思います。
 
 
 
 

 

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