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◆由緒あるフレンチの祭典
   日本人シェフの活躍に注目

 
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 料理を芸術と捉え、美食学――ガストロノミーが浸透するフランス。フランス料理は世界三大料理にも数えられ、見た目の美しさや味はもちろん、その洗練されたスタイルは、世界中の食文化に多大な影響を与えてきました。本国では由緒ある料理コンクールが多数開催され、近年は日本人シェフがめざましい活躍をみせています。記憶に新しいのが、2013年2月4日にパリで開催された 「第63回クラブ・ガストロノミック プロスペール・モンタニェ料理コンクール」 でしょう。
 
 フランス料理史に名を残す料理人の一人であるプロスペール・モンタニェ氏の没後、「格調高いフランス料理とその素材の品質を守り、向上させること」 を目的に立ち上げられた 「クラブ・ガストロノミックプロスペール・モンタニェ」 主催による、このコンクール。各国から多くの参加者が挑戦した今大会において、デザー卜部門1位という素晴らしい成績を修め、全体で3位入賞を果たしたのが 「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」 の朝比奈悟シェフです。言わずと知れたモダンフレンチの雄、ジョエル・ロブション氏の哲学を大切にしながらも、日本人シェフのアイデンティティを感じさせる料理は、本場でも高く評価されました。朝比奈シェフの料理をクローズアップすると共に、日本でも揺るぎない人気を誇る 「ジョエル・ロブション」 の世界に、改めて注目してみましょう。
 
 

◆「フレンチの神」 と称される
   ジョエル・ロブションの料理

 
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前菜より。天使の海老のコンフィ アンディーブのサラダを添えて
アヴォカドとフレッシュトマトのクーリ。見た目にも味わい深いひと皿
 本場フランスで様々な栄誉・勲章を受け、日本でも 「フレンチの神」 と、その名を知られるジョエル・ロブション氏。現在は日本でも様々な形態の店舗を展開しています。素材の持ち味や季節感を最大限に活かすことを大切にする、ジョエル・ロブション。「料理は愛から始まる芸術。人を愛し、食材を愛すること」 ――このジョエル・ロブション氏の魂は、洗練された料理と空間をカジュアルに楽しめる 「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」 にも、しっかりと受け継がれているのです。朝比奈シェフが繰り出す料理は、ひと皿ごとに完成された世界観があり、運ばれてくるたびに思わず感嘆の声や笑顔がこぼれること間違いありません。
 
  たとえば、春から夏にかけて登場する前菜 「天使の海老のコンフィ アンディーブのサラダを添えて アヴォカドとフレッシュトマトのクーリ」 は、瑞々しい旬の野菜を色鮮やかに盛り込んでいます。立体的なデザインは躍動感にあふれ、また、料理の彩に合わせて皿にさりげなくペイントも施すことで、春の庭を描いたような美しい逸品に。各素材の食感の違いも、味わう楽しさに満ちています。そしてある時のメインは、さわやかな風味の香草と共にクルートにした仔羊の背肉。クルートのパリッとした食感としっとりと柔らかな背肉は、口の中で見事に調和し、噛み締めるごとに豊かな味わいが広がります。同じ皿に並ぶのは、ズッキーニでカネロニ仕立てにした肩肉。ほろりと崩れるほど柔らかく煮込まれた肩肉の濃厚な旨みは、ワインが進むこと必至です。
 
 コンクールでも1位を獲得したデザートでは、柚や桜といった、日本のエッセンスが加味されることもしばしば。この日登場したのは 「スリーズ カカオのスフレグラッセに和三盆のグラスを添えて」 。桜リキュールがほのかに香るスリーズのソースに、冷たさが心地いいカカオのパルフェや、美しく透き通ったバニラ風味のジュレ、グリオットチェリーの泡など、数種のデザー卜が絶妙なバランスで構成されています。繊細な香りと食感は、しばし幸せな余韻を残してくれることでしょう。
 
 ここに挙げたメニューは、ほんの一例に過ぎません。季節や旬の食材を落とし込んだ珠玉の逸品たちは、見る者の心を動かし、ただ “食べる” だけでない、“食” の喜びを教えてくれるはずです。
 
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仔羊の背肉 香草と共にクルートにし、ゆっくり煮込んだ肩肉を
ズッキーニのカネロニ仕立てに。風味や食感のコントラストが絶妙
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軽い口どけの泡やジュレが口の中で調和する見事な逸品!
スリーズカカオのスフレグラッセに和三盆のグラスを添えて
 

◆最高峰のフレンチを
   より身近な存在に

 
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入賞を果たした朝比奈悟シェフ
 朝比奈氏は、大会の入賞後、「自信のあったデザー卜が出場者の中で最も高得点を獲得していたことを知り、嬉しさがこみ上げました。大変なこともありましたが、素晴らしい経験をさせていただき、お客様やご支援いただいた方々への感謝の気持ちでいっぱいです」 とコメントを発表しています。また、「コンクールはストイックに、アスリートのような特別な意識をもって、100%の状態で挑みました。いっぽう、レストランは料理だけでなく、サービスや空間もふくめてお客様に喜んでいただくための場所。いわば、チーム一丸となってつくる団体競技です。これからもロブションの名にふさわしい、最高の料理と、世界観を提供していきます」 と語りました。
 
 2013年、「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」 が誕生して10年目。日本でも、ガストロノミーより気軽でありながら、モダンで優雅な雰囲気の中で最高峰のフレンチが楽しめるとあって、オープン以来変わらぬ人気を誇っています。シンプルでありながら、多くの感動が詰まった最高級フレンチの世界を、少しだけ身近な存在に・・・。食通はもちろん、フレンチは敷居が高いと感じている人も、豊かな食の喜びと出会えることでしょう。
 
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シャトーの1Fに広がる、優しいラベンダーカラーを基調とした空間
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春夏はテラス席も人気。色とりどりの花を横目に絶品料理を堪能
 
 
 
ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション
東京都目黒区三田1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL 03-5424-1338
定休日:恵比寿ガーデンプレイスに準ずる
営業:ランチ 11:30~14:00(LO)
    ティー 14:00~16:30(LO16:00)
    ディナー 18:00~21:30(LO)
 
 (この情報は2013年6月1日現在のものです)
 
 
 
 

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