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スペースマジック モン 山下 順三氏

◆「竹の文化」に魅せられて

 京都人にとって、竹は自然に風景にとけ込んだ馴染み深いものです。古来より日本人の生活に大きな役割を果たしてきた竹。その用途には限りがなく、最近は地球環境の面や、現代デザインの分野でも注目されている素材。
そして今、竹をはじめ、漆、織物、絞りなどの伝統素材の新たな魅力を発信している人物が京都にいます。商業空間、住空間デザインや伝統技術を生かしたプロダクトデザインなどを手がけるSPACE MAGIC MON Co.,代表・山下順三氏。

竹のプロダクト、The Bambooシリーズ。

現代の暮らしの中では、伝統技術が生かされた製品を使う機会は減り、大量生産される工業製品が圧倒的に増えました。それは生活スタイルの変化、いわゆる住空間の変化によるものです。しかしそんな中で、日本人が愛してきた素材の新たな可能性を提案したいと考えた山下氏。そうして生まれた竹のプロダクトが「The Bamboo」シリーズです。作品が描き出す美しい曲線は竹の持つ暖かさがあり、強固さと柔らかさを併せ持っています。そして和の空間にも洋の空間にも合う不思議な魅力をたたえています。

◆バランスのとれた「日本のものづくり」

「en」で発表された紅松漆角高台 黒・銀・金。

山下氏の活動は2003年、京都のデザイナー集団「WA-Qu(和空)」に参加、海外出展も果たしました。ウォルト・ディズニーとの出会いから、和空とのダブルネームブランド「Disney+WA-Qu」で、伝統技術とモダンデザインが融合した和の製品を発表しました。
また清水焼や京仏具の伝統産業とコラボレーションをした京都山科観光プロジェクト「en」では総合プロデュースも務めました。日本の伝統工芸とデザインの織りなす艶(えん)。器と季節の料理が織りなす宴。そして宴を通じて円く広がる人の縁を願って、おもてなしのテーブルウェアを創作。庭に風景を描くように料理を盛れば、そこに美しい季節感が表現されます。悠久の技、日本の美が生きたテーブルウェアの新しい創作スタイルを提示しました。
さらに京都の伝統製品を、価格を抑えたモダンなギフトとして提案した「Kyoto Style Cafe」ではアートディレクターを担当し、大きな反響を呼びました。「For You 心を伝えるギフト」「儀礼的なギフトを見つめ直し、想いを込めた意味のあるもの、贈る人の心が伝わるギフト」を目指した「Kyoto Style Cafe 2009」。伝統の形にとらわれず、日常生活の中で生かされ、工業製品には無いモノの奥にあって、心が感じ取れるギフトを念頭に取り組みました。「魔除けの力を秘めた銀鏡」「縁起図案の刺繍が入った桐箱」「家族の歴史を綴る家来帖」など、出展者との密接な意見交換からアイディアが次々と形になりました。伝統工芸の意味のある図案や技法を現代生活シーンにデザインする試みは、伝統技術を未来につなぐ一つの方向性を感じさせてくれるプロジェクトになりました。

 「Kyoto Style Cafe 2009」のギフト製品。

空間デザイナー
山下順三氏

しかし山下氏は、竹や伝統工芸だけにこだわっているわけではありません。「工業製品は大量生産性に優れ、均一なクオリティ、耐久性もあり現代生活に即したメリットがありますが、これからの工業製品は少ロットで伝統工芸品の技と精神性をうまく取り入れた“日本のスタイル”のものづくりがいいと思いますね」と語る山下氏。彼の「ものづくり」に生きているのは、工芸品も工業製品もその時代に生きる人々が生活を楽しむためのものであってほしいという想いなのです。

 スペースマジック モン
京都市中京区河原町通夷川上ル指物町336
http://www.spacemagicmon.com/

 
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