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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

不妊治療で社会へ貢献
最新の卵子凍結にも精通

 

未受精卵子の凍結保存プロジェクトが話題に

 
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川上 メディカルパーク横浜を開院されるまでの、菊地院長の歩みを教えてください。
 
菊地 順天堂大学医学部を卒業後は、産婦人科医として勤務しながら順天堂医院産婦人科准教授、順天堂東京江東高齢者医療センター産婦人科先任准教授、浦安病院産婦人科先任准教授などを務めました。そして、2015年からは、順天堂大学浦安病院リプロダクションセンター長を任されたんです。
 
川上 華々しいキャリアですね! 順天堂大学医学部の産婦人科一筋という印象です。
 
菊地 2019年4月の開院までは、おっしゃるとおりの道のりでしたね。前職では産婦人科の医療を幅広く手がけており、当医院ではもともと得意だった不妊治療や卵子凍結を専門にしました。また、腹腔鏡手術の執刀件数は6500件を越えています。独立したことで、手術と不妊対処の両方ができるようになりました。得意分野で社会貢献できることが嬉しいですね。
 
川上 経験と専門知識を活かして、独立を果たされたんですね。菊地院長のご実績はメディカルパーク横浜さんの大きな強みの一つだと思います。卵子凍結についても、ご実績を詳しくうかがいたいです。
 
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菊地 2015年、千葉県浦安市と共同で実施された「未受精卵子の凍結保存プロジェクト」に責任者として携わりました。世界初となる公費助成を使ったプロジェクトで、20歳から34歳の女性が対象でした。妊娠しやすい年齢には制限がありますからね。もともと卵子凍結保存の技術が広まったのは、がんを患う女性の卵巣は抗がん剤の影響を受け、術後の妊娠が難しくなってしまうためです。化学治療を受ける前に妊娠しやすい時期の卵子を冷凍保存し、妊娠・出産へとつなげる。保険適用外なので金銭的な問題で悩む女性は多く、お金の心配がなくなる頃には年齢的に厳しいので、公費助成の試みは画期的でしたよ。出産につながる選択肢は多いほうがいいですからね。
 
川上 おっしゃるとおり。出産に対する選択肢は、一つでも増えてほしいものです。世界初となれば、かなり話題になったのでは?
 
菊地 ええ。イギリスのBBC放送局やガーディアン紙など、欧州・ロシアを中心に多くのメディア取材を受けました。3年間のプロジェクトだったので、昨年2018年に終了したものの、開院した現在も客員准教授としてポストは残していただいておりますので、大学でのフォローアップにも参加しております。