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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自分らしく思いのまま
終末期を過ごせる場所

 

患者と家族の意思を尊重した理想の施設

 
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杉田 最近は病室の不足などで、希望しても長期入院できない病院も多いと思います。それに、自宅で看取ってほしいという患者さんは多いものの、その家族は身の回りの世話や介護で大変ですよね。実際に私も母を自宅で介護しているときは、疲労が重なって2回ほど倒れたこともあったんです。でも、こうした施設があれば、患者さんにとっても、そのご家族にとってもありがたいと思いますよ。
 
大井 そう言っていただけると嬉しいですね。実は私も、両親を共にがんで亡くしているんです。そのときはどうしたら良いのかわからず、満足のいくケアをしてあげられませんでした。そうした経験があって、私は家族目線で「こうだったら良いな」という希望を形にしたいと強く思い、この施設をつくったんです。
 
杉田 大井代表ご自身が、ご両親をケアする当事者だったからこそ、導き出した答えがこの施設だったわけですね。私の母は、余命宣告されてから6回も入退院を繰り返し、最後の病院にたどり着くまで本当に苦労しました。それでも、やはり病院は最後まで治療をするところですからね。本人の意思に関係なくベッドに寝かされたまま医療器具を取り付けられたり、ずっと点滴を打たれたりしている姿を見るのは、痛々しくて辛かったですよ。
 
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大井 そうですね。医療の現場では、マニュアル通りに対応するのが鉄則ですからね。本人が嫌がっても点滴はしますし、最後まで治療を続けるのが目的ならそれも仕方ないのかもしれません。でも、そんな現実があるから、私は患者様の意思を尊重し、尊厳を守るために手助けしたいと考えたんです。
 
杉田 素晴らしいですね。本当にここは、患者さんとご家族が求めている理想の施設だと思います。
 
大井 ありがとうございます。以前、当施設へお母様にご入居していただいたご家族が「もっと早く母をここに連れてきてあげたかった。今度はぜひ、父もお願いします」とおっしゃって、実際に今度はお父様にご入居していただいたことがあったんです。そのときは、当施設の理想を共感してもらえたようで、本当に嬉しかったですね。