B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

貸しスペースで地域交流児童支援の寺子屋も
合同会社エフエム・mae 代表補佐 前田修

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 八木裕(野球解説者)
八木 前田さんは、合同会社エフエム・mae(マエ)で不動産管理事業に当たっておられる一方、個人の取り組みとして、この一軒家を活用し、地域の小学生が学校帰りに立ち寄れるスペースを運営されているそうですね。
 
前田 はい。ここはもともと、弊社が管理していた築50年の借家でして。それを私の発案で全面的に改修し、「寺子屋 ・mae」として2017年5月から稼働しています。今のところ寺子屋のメインは、毎週火曜日の夕方に開いている子ども食堂です。
 
八木 子ども食堂というと、今、全国各地で注目を集めているボランティア施設のことでしょうか。
 
前田 そうです。さまざまな事情から、家で1人の食事、いわゆる孤食を余儀なくされている子どもに、地域の人たちと安心して過ごせ、夕食も食べられる場所を提供したいと思い、有志の方たちを募って始めました。
 
八木 ここは古い建物の良さが生かされていて、とても居心地がいいです。前田さんは、もともと建築関係がご専門なのですか?
 
前田 還暦で定年を迎えるまで36年間、池田市役所の職員でした。一級建築士の資格も持っていますので、公共施設の建設や維持保全が主な仕事としながら、まちづくりにも関心がありました。今でも市中の公共の建物については、ほとんど把握しているので生き字引的な存在になっています。
 
glay-s1top.jpg
八木 頼れるベテランということですね。それにしても、寺子屋・ maeのご活動は、建物自体より、それをどう使うかに重きが置かれている点で、これまでのキャリアとはまた少し違う、新たな一歩を踏み出された印象ですね。
 
前田 そうですね。これからの人生、自分に何ができるかを考えたときに、今の日本の社会でどんどん失われている地域のコミュニティを回復したい、そのための場所をつくりたい気持ちが強くなったんです。その中から自然に、寺子屋のアイデアが浮かんできました。
 
八木 ただ場所を提供するのではなく、それにふさわしい空間がしっかりとつくり込まれているあたり、やはり建築に通じている方ならではと思いました。改修には、かなり費用もかかったことでしょう。