スーツとは着る人の自己変革をうながし、ハイパフォーマンスを生み出すための戦闘服。そう語るのは、大阪府大阪市でオーダーメイドスーツの製作・販売を手がける株式会社Fianco(フィアンコ)の原毅郎代表取締役だ。大手金融会社の職をなげうってスーツづくりを学んだ原社長は、綿密なカウンセリングを重ね、世界に1着だけのスーツを仕立てている。スーツはオーダーメイドしか着ないという畑山隆則氏も、原社長の理念に称賛の声を上げた。
金融からスーツビジネスへの転身

インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
原 ありがとうございます。今年は大きな決断の年になりましたので、身が引き締まる思いをしています。
畑山 原社長は、まだ30歳の若さだそうですね。これまでのご経歴が気になります。昔からファッションに興味があったのでしょうか。
原 はい。私は学生時代から洋服が好きでして。ただ、関西学院大学に在学中の4年間は塾講師のアルバイトばかりしていました。卒業後も、両親や祖父など大企業に勤める家族の期待を一身に背負い、東証一部に上場する大手金融グループに就職したんです。
畑山 すると、原社長は金融業界からスーツ業界に転身したわけですか。まったく畑違いの業種ですね。ぜひ、その転身のきっかけを教えてください。