インターネットの登場で、私たちの暮らしは便利になった。その反面、通信料が家計や企業の収益を圧迫しているケースは少なくない。現状に一石を投じるべく、新しいIoTの形を考え出したのが、株式会社ソーシャルエリアネットワークスの森田高明代表取締役だ。各家庭を基地局にする画期的なアイデア、医療・介護分野への貢献が期待されるウェアラブル端末などに投資家の注目が集まっている。
日韓ワールドカップの成功に貢献

インタビュアー 三浦淳寛(サッカー元日本代表)
森田 はい。通信機器メーカーで働いていた頃の同僚たちと私の3人で設立した、メディアグローバルリンクスという会社で取締役開発本部長を務めていました。そちらで開発した映像配信装置は、サッカーと深く関わっていましてね。2002年にワールドカップが日本と韓国で共同開催されたでしょう?
三浦 まだ僕が現役の頃ですね。残念ながら本大会の代表チームには選ばれませんでしたが(笑)。
森田 ワールドカップは開催都市を中心に開かれるオリンピックと違い、試合会場が開催国のあちこちに散らばっていますよね。
三浦 はい。日韓ワールドカップでは、Jリーグの各クラブが本拠地とする都市のスタジアムに加え、韓国のソウル、仁川、釜山などのスタジアムで試合が催されました。
森田 ワールドカップは主催者のFIFAが全ての放映権を持っていますから、FIFAが映像を各国の放送局に配信する必要があります。そのためには大規模な機材が必要でして、それを開発したのが私たちなんですよ。