東京都日野市を拠点に、マンションや集合住宅の防水工事・塗装工事を手がける株式会社アクルド。代表取締役の田中翔治氏は20歳で建設業界へ飛び込み、27歳の若さでスタッフのために安定した基盤をつくろうと、法人を設立したという。「任せるべきところは人に任せ、最後に責任を取るのがリーダーの役目」だと語り、人にも金銭にも誠実な田中社長に、そのポリシーについて詳しく話を聞いた。
お金より従業員を思い、若くして法人を設立

インタビュアー 川上麻衣子(女優)
田中 よくそう言われます(笑)。私としては、若いうちに起業するのも大事なことかなと思って、踏み切りました。社内では私は下から2番目に若いのですが、年上の職人もちゃんとついてきてくれています。
川上 どんな経緯で企業されたのかが気になりますね。教えていただけますか?
田中 私が建設業界に入ったのは、20歳の時でした。でも若くして職人として働くと、一度は仕事が嫌になってしまう時期があるんですよ(笑)。それで、もともと営業職に憧れていたこともあり、3年後に通信関連の営業職に転職しました。でも結局その2年後には、手がけた施工でお客様に喜んでいただける職人の仕事をしたいと思って、建設業に戻ったんです。そして1年経った頃に、個人事業主として独立しました。
川上 スピーディーに行動されていますね。独立から法人化までも、きっと早かったでしょう。
田中 そうですね。独立から2年後には法人を設立しました。お金のことだけを考えたら個人事業のほうが儲かるのですが、スタッフが増えたのと、彼らがいずれ結婚して、さらに子どもが生まれるとなると、経営者として安定した基盤をつくる義務があると思いまして。私が大切にしている理念は、お客様を大切にするのはもちろんのこと、「従業員の社会的地位を確保すること」なんですよ。