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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

「人生に無駄はない」が
ものづくりを支える原点

 

日本のものづくりを盛り上げていきたい

 
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三浦 お客さんの要求より高い性能の治工具をつくるなんて、かなりハードルが高いことだと思います。 
 
森田 なぜそれが可能なのかというと、弊社のスタッフはお客様の求める品質以上のものをつくるために、妥協をしないからです。私もそうで、妥協するのはプライドが許さない。ですから、図面をいただいた時点で、お客様の現場で動いている既存の機械はどのようなつくり方をされて、どのように使われているのかを事前に把握します。そのうえでお客様にいただいた図面にプラスアルファを加えて、お客様が求める以上の治工具をおつくりする。納品後、同じ図面で他社がつくった治工具と比較して「こんなに精度が違うのは、なぜなんですか」と驚くお客様も多いです。それは、妥協をせずに質を追求しているからなんですよ。
 
三浦 お客さんが求める治工具がどういうものなのかをあらかじめ把握したうえで、それ以上のものをつくろうとする姿勢が、そのまま仕事の結果に現れるというわけだ。森田社長はお客さんに喜んでもらうだけでなく、ご自身も満足できる、Win-Winの関係を大切にしているんですね。でも、自信と過信は紙一重。サッカーは自分に自信がないといいプレーができませんが、それが過信に変わると、今度は成長できなくなるものです。森田社長は機械を扱うお仕事をしていらっしゃる。それでも、最後に求められるのは人と人との関係であることは同じだと思います。ものづくりの技術を伸ばしながら、同時にお客さんから信頼を勝ち得ている秘訣は、どこにあるのでしょうか。
 
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森田 私は昔から「人生に無駄はない」という信念を持って生きてきました。どんなに遠回りをしようが、人から「くだらないことをやっているな」と思われようが、「この経験は絶対に無駄にならない」という思いでものづくりを続けてきたんです。例えば、丁稚奉公をしていたときもそう。あの経験のおかげで私は、ものづくりのなんたるかを知りました。無駄に思われそうなことも、高品質なものをつくるためには、必要なことなのです。その妥協を許さない姿勢や気持ちがお客様に伝わったからこそ、今日まで事業を続けてこられたと思います。そして、この思いこそ、私が仕事に取り組み続ける原動力になってきたのだと思いますね。
 
三浦 試行錯誤しようが失敗しようが、全てを自らの肥やしにするし、そうなると。そういうお考えで仕事に取り組む姿勢に、過信はありませんよね。森田社長のそのお言葉が、ものづくりに対する姿勢の原点を表しているような気がしました。
 
森田 本当にいい治工具をつくりたいお客様は弊社を指名してくださるので、ありがたい限りです。私はものづくりが、日本を支える土台だと思っています。ですから、これからもお客様の期待にお応えしながら、日本の製造業をもっと盛り上げていきたいですね。
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
量産品製造ラインの中で、いかにトラブルの少ない加工治具をつくるか、製造中の製品の精度合否を短時間で正確に判定する検査治具をつくるかを考えながら作業する。その結果、お客様から喜んでいただける仕事なので、非常に楽しいです。
(森田忠夫)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 株式会社エムテーエス
■ 本社 〒348-0052 埼玉県羽生市東1-4-38
■ 事業内容 ゲージ・金型部品・精密部品・治具制作/金属加工
■ 設立 昭和55年10月
■ 従業員数 15名
■ ホームページ http://mts-hanyu.co.jp