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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

家の注文から完成まで
全段階での顧客満足を

 

即興でイメージを形にできるアナログ力

 
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鶴久 阿部社長は、おいくつで業界に入られたのですか?
 
阿部 高校卒業後すぐです。設計事務所に住み込みで4年間働き、図面作成の基礎を学びました。当時の図面は手描きだったので、全てデジタルの現在に比べ、覚えることがたくさんありましたね。でも、その経験があるから、今でもスケッチや、イラストの色付けがその場ですぐにできるんです。
 
鶴久 音楽でも、アナログ時代を経た人のほうが動物的な触覚が強いと感じます。電子音楽って、手づくりの“デコボコ感”が少ないんですよね。住まいも音楽も、人が「感じるもの」だから、やっぱり温もりが欲しいですよ。パソコンは便利ですけども。
 
阿部 便利ですぐに答えが出るがゆえに、それ以上考えなくなるんですよね。私は初回のヒアリングの段階で、即興で完成予想図や間取り図を描いています。これはパソコンでの作業経験しかない建築家には少々難しいことかもしれません。お客様も、語ったイメージがその場で具体化するので、とても喜んでくださいます。描いたイラストを、プレゼントすることもありますね。
 
鶴久 そのイラストがあれば、完成までのワクワクも増えるだろうな。お客さんは建築の素人ですし、そこに3Dやら何やらをいきなり見せられても、ちんぷんかんぷんな人も多いはず。その点、イラストならしっかりと実感を持てて、安心できると思います。
 
阿部 弊社へ依頼されるお客様が望んでおられるのは、量産ではない「自分だけの家」。それが、目の前で描くイラストが喜ばれる理由でもあるのでしょう。それに信頼感が違いますね。お聞きした要望を持ち帰り、後日3D化しても、「私の話を直接聞いたあなたが本当につくったの?」と思われることも。実際、「助手がつくったんでしょう」と言われたことがあり、その場で改めて図面を描いてお見せしました。そのとき、「家を建てることへの不安が、疑り深くさせるのだ」と思い、お客様を安心させることが建築士の大きな役割だと再認識しましたね。
 
鶴久 お客さんが業者を選ぶ基準として、信頼できるかどうかは重要だと思います。特に、家はその後の人生に大きく関わる買い物です。やはり信頼を求めますよ。その中で、即興でお客さんのイメージを形にできるのは、大きな強みですね。
 
阿部 おかげさまで、たくさんのご依頼をいただけています。数多い業者の中から選ばれるのは「この人にわかってもらえた」と、ヒアリングの段階で感じてくださるお客様が多いからだと思いますね。
 
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阿部社長がこれまでに手がけた家の一例がこちら
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左の施工事例の手描き完成予想図。温もりあるタッチ