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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

中小小売の物流代行
小口化に柔軟対応

 

専門分化する中小小売に物流でどう応えるか

 
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杉田 今はみんなが大々的に宣伝される商品ばかりを欲しがることもなくなりましたよね。例えば、私が住んでいる湘南でも、主婦同士の小さなコミュニティの中で、先輩がデザインした素敵なカバンを買わせてもらったり、好みに応じてアレンジを加えてもらったりしています。こういう小規模の売り買いによっても、やはり物流の形式は変わりましたか?
 
平山 変わりましたね。個々の条件に応じられるさらに柔軟なサービスが求められるようになっています。今までは汎用的な商品の流通が中心でしたが、今後はそれこそオーダーメイドの革製品だけとか、ごく小さな趣味のコミュニティだけに支持される商品をつくっているような、専門的な会社が生き残ると思います。大企業は別ですけれど、中小の場合は単純に高い安いじゃなくて、コアなお客様に満足してもらえる品物を適正な金額で提供し続けられるかどうかがカギになるでしょう。ですので、当社のように中小のショップを応援したい物流会社は、より一層の柔軟性が必要になってきていますよ。
 
杉田 なるほど。そういえば、私がいつも生産者さんから直接取り寄せている塩があるんです。そこでは塩をつくる力仕事は男性が担当、それを選別したり袋に詰めたりする細かい作業は女性が担当というふうに役割分担がされていました。ものづくりでも物流のサービスでも、「餅は餅屋」というか、それぞれ得意分野を担当するやり方が理に適っているということでしょうか。
 
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平山 全くそうで、「餅は餅屋」というフレーズは私もよく使います。今は資本のある大企業が、物流業務だけでなく受注代行や販売管理などを吸収し、自社で全部コントロールするようになりました。しかしそれで、どの部分においても一級のサービスを提供できるのかというと疑問が残ります。やはり餅は餅屋で、当社の場合、得意な物流は手がけますが、ネットショップに必要な販促や販売管理などは、当社が信頼している専門の会社に直接入ってもらえばいいという考え方ですね。
 
杉田 連携はするけどコントロールまではしないということですね。ところで、物流が昔よりも多品種の商品を扱うようになったことには、どのような背景があるのですか?
 
平山 私たちの、多様化した物に対する価値観に物流がようやく追いついてきた現れなのかもしれませんね。