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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

伝統の製紐技術を応用し
ものづくりの新市場拓く

 

独自の製造技術で安心の商品を

 
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全国的にも数少ないヘアゴムを製造する工場の様子
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適度な長さにカットされたゴム。完成品まであと一歩!
吉井 わあ、巨大なボビン! 
 
中山 この工場では素材からの加工を行っています。従来、業界で主流とされていた製造方法は強度も見た目も作業効率も良くなかったのですが、当社では製造方法を見直し、高品質のヘアゴムが安定して生産できる技術を開発しました。
 
吉井 ボビンに巻き付いている紐が、工場内を縦横無尽に移動していますね。
 
中山 紐の表面に特殊なコーティング剤を施していて、それによって強度や生産性が高まる仕組みで、コーティング剤や調合機械を開発するのに3年を要しました。その成分は企業秘密です(笑)。この製造方法は特許も取得していますよ。ただ温度管理が非常に難しく、まだまだ改良の余地はありますね。
 
吉井 ちなみに、この工場で何種類の紐を一度につくれるのですか。
 
中山 ボビンは32個あるので、その数だけ同時に違った種類を加工できます。太い紐用のボビンは最長800m、細い紐用のボビンは1400mほど巻き取れます。
 
吉井 あ、コーティングが終わった紐はバケツの中に収まっていきますね。
 
中山 あれを第二工場に運び、決まった寸法でカットしていきます。そちらへ行きましょうか。
 
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吉井 第二工場にある紐は、すでに製品に近くなっていますね。パステルカラーがあったり、ラメ入りのものがあったり・・・。
 
中山 はい。この裁断機も私が開発したものです。紐にテンションをかけ、お客様の要望に合わせた長さで裁断。それを1000本ずつまとめていきます。最後に品質をチェックして出荷するという流れです。
 
吉井 ヘアゴムって普段何気なく使っていましたが、製品になるまで、結構手間がかかっていたんですね。知りませんでした。
 
中山 当社のようにヘアゴムを生産している工場は、全国で数ヶ所しかありません。当社が先駆けで、海外産が出回るまでは70%近くのシェアがありました。今も品質を重視するお客様は海外産ではなく当社のものを使用してくださっており、皆様に安心してもらえる製品を丁寧につくり続けているんですよ。